繰り返した、人恋 25
山瀬「あ、いた。」
母さんは知り合いの女の人と、楽しそうに話しながら買い物をしていた。
エリカ「隣にいる人も共犯かしら?」
山瀬「さ、さあ?」
エリカ先生は俺に体を密着させながら2人を観察している。
そして、母さんとその知り合いの女の人は、防犯カメラの位置を確認してから肉をカバンの中に素早く入れた。
!!!
俺は自分の目を疑った。
山瀬「嘘だろ…」
エリカ「これは紛れもない事実ね。山瀬君、現実を受け入れるのよ」
山瀬「は、はい…」
エリカ「レジで会計を済ませて、店を出るところまではこのままよ」
山瀬「わかりました」
俺とエリカ先生はそのまま母さん達の後を追った。
母さんたちが会計を終わらせて何もなかったかのように店を出た。
エリカ「カメラで写真も撮ったわ。行きましょう。」
店でて、2人の後を追いかけ俺は母さんたちを呼び止める。
山瀬「母さん!!」
母さんたちは俺の声に気付き歩くのを止めて俺たちの方を見た。
優梨子「あ、あら、隆史…いたの?」
山瀬「母さん…何か隠してないか?」
優梨子「隠して、って、何のこと?」
山瀬「その上着のポケット…そこに何か入ってないか?」
母さんの隣にいる女性が怪訝そうな顔をする。
エリカ「じゃあ、そのまま店を出てみてくださいよ」
優梨子「鈴村先生!?」
エリカ「何もしてないなら、異常は見つからないはずだから」