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未亡人の性愛
官能リレー小説 - 若奥さん

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未亡人の性愛 5


「お姉さんたちどっから来たの〜?」
 車に乗り込もうとすると二人組の男に声をかけられてしまう私たちだった。
「……」
 徹底的に無視を決め込もうと思い、目も合わさない私の横で──陽子は白い歯と喉元を見せて嬉しそうに返事をしていた。
 ──おいっ。
 心の中で毒づくが、今さら彼女の性格をどうにかすることもできないのだ。
私は身を硬くして事態が悪化しないようにと祈るだけだった。
 陽子の人当たりのよさに手ごたえを感じたのか、男たちは図々しくもすぐに私たちの傍まで駆け寄ってきた。
 二十代の前半、大学生だろうかという彼ら二人は、揃って背が高かった。
180近くあるんじゃないかと思う。近くにこられると結構な迫力があった。
 モテるために筋トレでもしているのか、それとも本当にスポーツでもやっているのか──がっしりと引き締まった身体つき。

 全身がムラなく日に焼けているから、きっとこんな風にしょっちゅう海で女をナンパしているのは確実だろう。
 ワックスで無造作に散らかした色の薄い茶髪。
胸元には金のネックレスがぶら下がっていて──腕にはタトゥーまで入っている。
 本当に、私が一番苦手とするタイプの男たちだと思った。
 きっと、女を食べ物のようにしか思っていないに決まっているのだ。
いつもこんな風に軽々しく声をかけては、性欲の赴くままに女の身体を食い散らかしているのだろう。
 焼け付くような太陽の下、人が開放的になる気持ちは分かるけれど……。
でも、こんな男たちにホイホイと付いて行く女がそれなりの数いるという事実が理解しがたい。

──あ、いや、まさにそういった女の代表だという人物がすぐ隣にいるのだが……。
 ちらりと陽子に視線を送ると、彼女は男のたくましい身体に密着しながら楽しげに会話をしていた。
まるで好きな人と話をしているかのように目を輝かせている。
まあ、確かにこういったチャラチャラしつつも男らしい男性は、彼女のストライクゾーンど真ん中なのかもしれないが……。
 それにしても……、私まで巻き込むことないじゃないか……。
 三八度を越える猛暑のお昼時。彼らの身体からはツンと汗の匂いが漂ってくる。
男性的で獣臭いその匂いに、私はどうしてだか言いようのない不安を感じてしまう。
 ──このまま陽子に任せていて、大丈夫なのだろうか……。

「白い、白すぎる」
「何よ、急に」
「やっぱ黒くてビッチな方がいいな。奴らならこうしてる間に触れてるし」
「よそ者がみんな派手で遊び慣れてる訳じゃないのよ」
海の時と同じような疎外感を覚える。口論から喧嘩や無理矢理というのも地方の夏丸出しで格好悪い。
「お姉さんたちも、俺達より年下がいいっしょ?」
「な、なんでそれを…」
「店内でショタのコーナーで立ち止まってガン見してたし」
「ほら、それは真新しいっていうか…」
「ブランクが長いと、歳が近いと怖いってのもあるし…」
話はそれで終わるものと思っていた。しかし、予想外の方向へと舵がきられる。
「ちょっと、ホントにドーテーなんでしょうね?」
「伊達に兄弟は多くねーよ、実の弟だ。間違いない」
楯突く陽子を無視するように男の一人がどこかに電話を掛けだした。

「俺だ………、お前好みのお姉さんをゲットしたんだけど、出てこれるか?」
…………ゲットって、なんか引っかかる言い方だけど。
それでもこの彼みたいなのと真逆のタイプも男の子がやってくるというなら、ちょっと期待してもいいのだろうか。

「ちょっと乗り気じゃないみたいだけど…お姉さんたちが合いたいって言うなら紹介してあげるよ」

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