幼妻のアブない日常 223
「あらぁいい名前じゃない…それって所謂こういう商売に使われる、源氏名だったりするんでしょ?…」
「あっいえ、僕はまだそんな名前を付けて貰える程の立場にありませんから…」
「それじゃあ…隼人っていうのは本名な訳なの?…」
「ええまあ…でも芸名みたいな風でも十分通用しますけどね」
「それは言えてる」
照れ笑いする姿が可愛らしい。
名前も知ることができて、ますます隼人くんとの縁を感じちゃうわね。
「着替えてロビーまで、大丈夫です?」
「待って、その前に、いいことしよ?」
「えっ?…そ、それはさっきも言った通り…僕はまだ;…」
「ふふ、臆病なのね…そんなに上の人が怖いの…?」
「いえ、怖いとかじゃないんですけど;…」
「それじゃあ私と“いいこと”したら、クビになっちゃったりするのかしら?…」
隼人くんはその問いには無言を貫いた。
おそらくそれに近いことになるのだろう。でも私は隼人くんがここでは一番の好みなのだ。
「私が根回ししても、ダメ?」
「それとこれとは…」
やっぱり頑なに断られる。
「それじゃあ、私の連絡先教えるね。プライベートで会いましょ」
「えっ…?、いいんですかぁ…?」
パッと表情を明るくする隼人くん…
嫌な訳ではなかったのだと、少し安心する…
「もちろんだはぁ…外で会うのなら問題ないんじゃない?…」
あったとしても、ここでヤルよりバレる可能性は低いはよね…
「はい!…必ず連絡させていただきます…」