幼妻のアブない日常 211
「よかったら、ここのシステムをこの子に教えてやってくださらない?…」
ナイス紗花!…
私が名残惜しそうにしていたの…分かっちゃったのね;…
「これは失礼致しました…どうぞソファーにお座りなって、あちらをご覧ください…」
彼が個室のモニターを操作し、私たちにこのカフェのシステムを説明してくれる。
リストから好みの店員を選び、指名し、食事などを注文しながら彼らと楽しい会話をし、そして…という感じ。
彼らのプロフィールと、現在の状況を説明され、話は終了となる。
「で、君はいつ指名できるの?」
「え、ええと…」
隣で紗花がニヤついている。
私が入れ込んだのを察しているのだろう。
「あっ、残念ながら僕は、ここに入った経歴も浅いので…フロント業務のみとなっておりまして…」
「あらぁそうなの?…君みたいなイケメンくんが勿体無いはねぇ…」
「そう言っていただけますと嬉しいです…僕も早く経験を積んで、1日も早くお客様とお近づきになれるよう頑張りたいです…」
彼はまだ下働き…水商売で言う“黒服”ってやつか…
そう簡単に接客係にはなれないってことなのね…
「ありがとうね、いつか君をご指名できる日が来るのを楽しみに待ってるわね」
惜しい気持ちはあったけど、私も子供じゃないのだから、ここは我慢だ。
「結衣子も常連になるわね、きっと」
「紗花に感謝するよ」
気をとりなおして新たな好みの男の子を見つけるとしよう。
画面には数多くのイケメンくんたちの笑顔が並んでいる…
どの子もかなりのハイレベルだ…
「こんな多くの子たちの、誰でも指命可能って訳じゃないはよね?…」
「いえ、どのスタッフも別室に控えております。この屋敷に出向いていない者、もしくは他のお客様の接待中の者はこの画面にはアップされることはありませんので…」