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若妻遊戯
官能リレー小説 - 若奥さん

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若妻遊戯 56

「まあ、お互いにその人のことをよく知っておくことが大事ね。私も出来る限りの努力を尽くすから、みんなもお願いね」
『了解!』


それから一週間ほど。
最初のチャンスは意外に早く訪れる。

愛美は役者としてチャレンジの幅を広げていた。
そんな中であるアニメ作品の声優の仕事がやってきたのだ。
その作品にはエミリも参加している。2人はこれが初対面だ。

「初めまして!」
「こちらこそ。藍と同じグループにいたんですねぇ」

「どうです?慣れました?」
「いやぁ、いろいろ勉強することは多いなぁと。結構大変で苦戦してます」
「頑張ってください。私も最初はそうでしたから」

早くも意気投合する2人。

「旦那さんいるんですよね」
「見た目じゃ驚かれるんだけどね」
「逆に安心して入ってこれるんじゃないかなぁ、この業界は男と一緒にいるだけで周囲の目が厳しくなるような世界なので」
「そうなの?」

「私は慣れてるけどね、アイドルの頃は恋愛禁止って言うルールがあったから」
「やっぱりあるんだ」
「それが解禁された今は自由。でもどこで誰が見てるかわからない。同業者が相手ならすぐ噂は出る」
「まあねぇ」

「旦那さんは、あの人といろいろあったんだよね」
「…まあね、もうとやかく言うつもりはないんだけどね」
「媚びるのが上手いんだ…私も含め、苦手な子がほとんどだった」
「藍も結構頭を悩ませてたみたいだね」

「私がアイツの事、活動自粛まで追い込んだのは…自分のためだけじゃないの。グラビアという友達が人生を懸けてる世界にも手を広げてダーティーなやり口で荒らすのも許せなくって…」
「いろんな業界に友達がいるのね。アイドルだとどうして内向きだったから」
「芸能界だけよ、一般人みたいに学校生活には入れ込めなかったし。でも、夫を野放しにしてるからって仮面夫婦じゃないし、同性愛者でもないわ」
「それは、一目瞭然だと思う。この間出た写真集…補正してるのを差し引いても、肌のハリとツヤを考えると、性的に満たされてるって分かっちゃうな」

エミリは愛美が出した写真集の感想を述べる。彼女も一度少年誌のグラビアのためにビキニ姿で撮影された経験はあったが、どうしてもリサと比べられるのが嫌で一度しか受けていない。
現役の頃にはリサに劣っていたであろうバストも今では豊満な部類に見えた。愛美にはエミリもリサの歪んだ上昇志向の犠牲者だと分かる。
近頃は声優にもアイドル並みの活動をする女性もいるが、彼女は裏方として地道に活動するタイプでビジネスのためにアニメオタクを公言していた訳でないと確信する。

愛美の日常が充実しているとわかり、気のあう存在と思えてエミリは嬉しさと安堵の気持ちを持つ。
アフレコが終わり仕事から解放されると、2人は一緒に食事に向かう。
話したいことはまだまだ山ほどあるのだ。

「藍とは仲がいいみたいだね」
「藍ちゃんはグループの中心に立って、私たちを引っ張ってくれたの。とても頼りになる存在だったよ。親友でもあり憧れだった。卒業公園も一緒にしてもらったくらい」
「へぇ…あら?」
「え、どうかした?」

愛美が気になったのは店の前に立つ男性。
「麻衣子の旦那さんだ」
「知ってる人?」

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