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若妻遊戯
官能リレー小説 - 若奥さん

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若妻遊戯 37

そんな追跡が続いて2週間ほど。
ついに恵介とリサの動かぬ証拠を手に入れることができた。

恵介が主宰する劇団の公演、その初日の舞台をリサが観に来ていた。
亜美もその公演をリサと同じ関係者招待席で観ており、比較的近い席にいたことでリサの動向を窺い知れることができた。
公演が終わり、楽屋裏に戻る恵介とそれを迎えるため動くリサ。
亜美は自分が追うのは不味いと考え、同じ現場にいたちひろに連絡し追跡を依頼。

ちひろが見ているのを知らない2人は裏口から仲良さそうにタクシーで夜の街に向かったという。

そして更なる尾行の結果、ホテルに入ったとの事。
「で、コレが証拠の品と」

ちひろは写真撮影を試みたのだが、流石にリサも警戒していたらしく変装してた上に2人は別々にホテルに入った。しかもラブホではなく普通に食事や取引や会談に使われる様な一流ホテルだったので1人で入っていっただけの写真では証拠としては使えない。

が、予め愛美に恵介に仕掛けさせた盗聴器から生々しい会話を得られた。証拠の品とは、ホテルに入ってからの一部始終を録音したデータである。
恵介はリサ程に警戒心が強くなかった上に、流石に妻に盗聴器を仕掛けられるとは思っていなかったらしい。リサも其処までは想定していなかったらしく、ホテルの部屋に入った途端に本性を現してベラベラと喋ってしまった。しかも、その際に愛美を“奥さん”と言っていたので恵介が既婚者とは知らなかったとは言えない。

「……とりあえず決定的証拠は得られたわね」
本来ならリサのスキャンダルで狂喜しそうな藍が複雑な面持ちであった。理由はすぐ側で録音データを聞いて凹んでいる愛美である。

愛美にとっては愛する夫であるのはもちろん、自分の女優としての才能を認めてくれ、新たな活躍の場を与えてくれた恩人なのである。
恵介に出会わなければ最悪芸能界をひっそりと引退していた可能性だってあるのだ。

必死になって泣きそうなのを堪える愛美。その隣で亜美が寄り添って背中を撫でながら慰める。

「これ、どうしましょうか」
「私たちがやるべきことはやったわ…後は愛美の判断に委ねたいけど…」
ちひろが尋ねるが、麻衣子は愛美の姿を見て複雑な気分になる。

「あの人が気の毒ね。ただの浮気じゃなくて利用されるんだから…あの泥棒猫に」
「そうよね、旦那さんは騙されてるのよ」
「本来は誠実なはずよね。だって、女性がほしいだけなら劇団員にだって手を出せたし」
愛美が胸の内を打ち明けると、二人も概ね似た感想だった。
リサに打算があるのは明らかだし、立場の割に警戒心に乏しい恵介の方は仮に肉体関係を持った所でそれ以上のメリットはない。それどころか、浮気はスキャンダルでバレると夫婦共々ダメージが及ぶ。
ちひろは仕事柄魔性の女的なキャラの条件を知っていた。文字通り男をダシにしてのし上がる女は間違いなく存在するし、破滅して後悔する男も取材したことがある。
麻衣子と愛美は浮気はしたが、公然とした愛人でないし、純粋に肉体関係のみで打算はなく、夫を見限ったわけでないので男が風俗に行くのと同様だった。
「リサみたいな女は…グラビア界にいてほしくない。だって、みんな夫を寝取るようなキャラって思われたら、とんだイメージダウンよ」
「あの、藍も…助けて助けてくれるかな。自分もこの前男と遊んだのに、自分が被害者の時だけ調子が良すぎると思われるかな」
「でも、旦那さんを愛してるんでしょ?だったら、心の奥底に仕舞っておけば誰も傷つかないわ。藍だって、リサの事…嫌ってるし」

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