彼女はスーパー小学生! 13
「それに分かってる、有紗?」
「今日は悠くんの誕生日・・・今晩の誕生パーティーの場は、私達の悠くんのお嫁さんとしてのお披露目でもあるのよ」
「分かってるわ!・・・でもっ・・・」
ティナとリズに反論しかける有紗。
そうなのだ、今晩行われる誕生パーティーでやる事の一つは、ティンクル☆フェアリーズのメンバーと僕との結婚式だ。
勿論、一夫多妻が許されてる社会じゃないし、年齢的にも結婚できる訳じゃないけど、僕達にとってこれは結婚式なのだ。
だから僕は有紗に決意を込めて言う。
「僕は有紗が好きだよ」
「なっ?!」
不意をつかれて真っ赤になる有紗は可愛い。
そんな有紗に僕は抱きつき、綺麗なおっぱいに顔を埋める。
「だから、有紗にたっぷり甘えるから」
「こらっ、甘えるとか駄目だからっ!」
真っ赤になって慌てる有紗にティナとリズのクスクスと笑い声も聞こえる。
でも何か覚悟の出来た僕は、有紗に抱きついたままこう言う。
「駄目でも有紗に甘えるから!」
「う………」
有紗は真っ赤な顔のまま固まる。
僕を抱きしめ、少しずつ力を加えているのがわかった。
「仕方ないわね…」
吐き捨てるように言う有紗。しかしその声は優しい。
「甘えたいときはとことん甘えるがいいわ。でも、その分しっかりすること!」
「うん、わかってる!」
「だから…いい加減離れてくれない?」
ティナもリズもまだクスクス笑っていた。
「有紗の事大好きだから、離れないよ」
そう言って僕は有紗のおっぱいに頬をスリスリすると、有紗は大きなため息をつきながらも抱きしめてくる。
「ああ、もうっ!・・・そんな事されたら我慢できなくなるじゃないの!」
怒っているのか喜んでいるのか分からない様子の有紗を、ティナとリズがニヤニヤと見ている。
「いいなあ、有紗は愛されて」
「結局一番甘いのって有紗だと思う」
2人のツッコミに睨み返す有紗だけど、迫力は全くない。
「覚悟しなさいよ、悠・・・そんな気なら、今晩徹底的に可愛がってあげるんだからね!」
うん、結局有紗はこうなるんだよなぁ。
何故か有紗に対してが一番素直に甘えれてる気がいつもする。
そんなこんなで、午後の授業が終わり放課後。
帰り支度をする僕の横で少し頬の赤い司がいる。
「頬、どうかしたの?」
「八雲からかったらグーで思いっきり殴ってきたぞ・・・超不機嫌だけど、お前何かしたのか?」
ああ多分それは僕の責任だ。
すまない、司。
反省はしないけど。
帰りはスクールバスではなく、お迎えが来る。
マネージャーさんの雪菜さんが僕達を待っていた。
「雪菜さん、よろしく」
「はい、3人はレッスンしてから誕生会の準備ね・・・悠くんは誕生会まで事務所で待っていて頂戴」
車に乗り込んで向かうと30分もせずに到着するビル。
そこは、スズヨプロダクション・・・
通称スズプロの本社ビルだ。
芸能活動を本業に、イベント興行や不動産業や投資業などを手掛ける会社で、所属芸能人と会社スタッフがお父さん以外は女子ばかりなのも特徴だ。
ティナ達は会社内のレッスン場に向かい、僕は上の階に。
何となくいつも立ち寄るのが、企画営業部。
ここの部長は、メアリーさんなのだ。
「ユー!来てくれたのネ!」
ニコニコのメアリーさん。
大きなお腹を揺らしながら僕を抱きしめてくる。
彼女以外もちらほらとお腹が大きな人がいるが、みんな僕の弟か妹である。
「リズのベイビーまだカナ?」
「メアリーさん、気が早すぎだよ」
大きなメアリーさんは僕をひょいと抱き上げて膝の上に。
まるでお人形かと言うぐらい簡単にしてしまう。
元々海外でモデルをしていたメアリーさんがお父さんと出会ったのが30年くらい前。メアリーさんはお父さんに一目惚れしてしまい毎日のように愛し合い、カレンさんを身籠る。そこで日本に永住することを決意したという。
「ユー、ミルク飲むネ」
「うん、ありがとう…メアリーさんのミルクを飲むと元気になれるからね」