完璧お嬢様の素顔 2
香織は自身が運動音痴であると自覚していたが、身重な状態の真凛なら付き添うのは難しくないと思った。
だが予想に反してフルスピードで走る真凛に付いていくのが精一杯だった。
ゴール間際になると逆に真凛のほうがスピードを落として香織に合わせることになる。
(それにしても真凛さんて本当に規格外だわ……)
膨らんだ真凛のお腹を見ながら心の中で嘆息をつく。
病院へ付き添っているから知っているが彼女のお腹の中にいるのは双子だ。
普通なら歩くのさえきついのにマラソンに参加し入賞してしまう。
香織は一年生のときに真凛と同じクラスになり、色々あって友人となったが驚かされてばかりだ。
香織が真凛をぼんやりみてると真凛の方から近づいてくる。
「ねえ香織、最近セックスしている。セックスは毎日しないと直ぐに体力がおちるわよ」
「ちょっと真凛さん、いきなり何言ってるのよ」
香織はあわてるが真凛は気にしない。
「だって香織たら一人目を産んでから半年も経つのにまだ二人目が出来てないじゃない。セックスしてない証拠よ」
香織が真凛に対して付いていけない一番の事は性に関することだ。
真凛にとってセックスやそれに伴う出産はスポーツと同感覚に捉えている。
香織が処女だと知ったら、善意で乱交パーティーで誘ったのだ。
真凛だけがこの学園で特別なわけではない。
彼女と同じように妊娠し、出産を経験した女子生徒は過去にも、そして現在も数多く存在する。
学園では十分な性教育を行い、子供が出来た生徒には積極的なサポートを用意する。
真凛の産んだ子の父親の中には、彼女の同級生や学園の教師も含まれる。
乱交パーティーの主催者も学園の関係者だ。
「真凛、お疲れ様。相変わらずすごいね」
「あら…美和。もう身体は大丈夫なの?」
真凛を労うのは同級生、幼稚舎の頃からの親友の松井美和。
ついこの間出産を経験したばかりだ。
「うん、大丈夫…放課後には久しぶりにパーティー行こうと思ってる」
この学園で、特に断りなく「パーティー」と言ったら乱交パーティーを指す。わざわざ乱交という必要もないくらい、当たり前のことなのだ。
「もう行くの?!」
香織は驚いて口元に手を当てた。
「うん、オマ○コうずいちゃって」
そういって美和は自らの股間を指でなぞるような動作をした。
「香織も行けば」
「今夜は約束があるので遠慮します」
香織は先約があるといって断った。
中等部からの進学組の香織には乱交パーティーにはどうしても馴染むことが出来なかった。
真凛に誘われていったのが最初で、そこであった来賓に散々犯されたのだ。
一人だけ出に犯されるのも大変なのに、複数の人間に犯されるなど想像もつかなかった。
「だめよ美和、香織はグズネフさん一筋なんだから。今夜の約束もグズネフさんとでしょ」
「あらそうだったの、ごめんなさいね香織はグズネフさんとラブラブだものね、誘ったら悪かったかしら」
ラブラブといわれて香織は複雑な顔をする。
グズネフはロシアマフィアのドンであり、学園の後援者の一人だ。