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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 74

進一・・・いや、あゆみがそう言うと、ヴァネッサは本当に嬉しそうな表情を見せる。
ヴァネッサ好みの男の娘として愛されてる証拠のようだった。
「あゆみかぁ・・・可愛い名前だな。」
カレンも満更でなく気に入ったようだ。
「カレン様、これからもあゆみを宜しくお願いしますね。」
「おうっ!!」
主従の誓いを新たにした二人に、ヴァネッサは笑顔で言う。
「カレンにもプレゼントがあるぞ。新しい牝を買ってやろう。」
「ホントっ!、お姉様!!」

「「お待ちください、ヴァネッサ様っ!」」
「「「!?」」」

そこに水をさしたのは、美由紀と悠美香だ。
彼女らは今までどんなにつらく貧しい生活でも見せたこともない、怒りと不満をあらわに主人たちをにらみつけていた。
ニンフ人の奴隷として教育を叩き込まれている彼女たちからは考えられない行動である。
さすがのヴァネッサも驚いたように彼女たちを見る。

「・・・何だ?いったい何が不満だと言うんだ?」
「進一の名前を変えることでございますっ!
 私たちの名前は人間からではなく、エレノア様から賜った大事な名前!」
「大恩あるエレノア様からいただいた名前を勝手に変えるなんて、恩を仇で返すなどという言葉では片付けられない非礼でございます!!
 どうか今すぐお考え直しください!」
「あ・・・」

そこまで言われて進一も初めて気がついた。
確かに現時点においてかつての主人フォルトナの母とも親交のあるエレノアは、ニンフ人でもかなりの地位にいると言える。
それを許可なく勝手に変えると言うことは、無礼どころとの話ではない。
まして彼女は進一たちの母でもあるのだ。
進一は自分が簡単に改名を受け入れてしまったことに青ざめ、その無礼のほどに全身を震わせた。
だがヴァネッサとカレンにはその大事さがわかっていないらしい。
それどころか彼女らは傲岸不遜な言葉を吐いた。

「そんなこと心配するな。後で私から話を通しておく」
「そうだよ。んなもの、事後承諾でもいいだろ?」
「「「・・・っ!?」」」

その言葉に3人は冗談ではなく、本当に気絶しそうになった。
幼い頃からの教育のせいだけではない。
彼女らはエレノアの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるのだ。
普段聖母然としている彼女だが、ひとたび怒れば悪魔も真っ青の非情さで敵を排除する。
マイナーであるヴァネッサたちなどひとたまりもない。
下手をすれば本当に命を落としかねない。
母と主人が仲違いした挙句、主人を死に追いやるなど間違っても避けなければならなかった。

「だ、ダメですっ!?とにかく改名は絶対にダメですっ!!」
「ば、ヴァネッサ様たちはあのお方の恐ろしさを知らないからそんなことが言えるんです!!」

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