PiPi's World 投稿小説

地球卵
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 67
 69
の最後へ

地球卵 69

今まで進一をリングに上げたことはなかったというのに。
その問いに対し、ヴァネッサは何も答えない。
早く上がれとばかりにあごで示し、背中を向けてしまった。
答えが得られないのであれば仕方がない。
進一たちは晴れぬ疑問を抱えたままリングに上がった。

「まずはカレン。おまえからだ。ルールはグラップ。
 これまでの練習の成果を私に見せてみな」
「は、はいっ!」

カレンの返事を合図に最後の訓練が始まった。
カレンは得意としていた打撃を中心に、ヴァネッサから教わった寝技・関節技を次々と展開していく。
打撃から関節技、関節技から寝技へと移っていく様はまるで水が流れるように美しさすら感じる。
勢い任せの打撃のみだった頃とは明らかに違うレベルであった。
しかし相手はカレンをここまで変えたその師匠。
ヴァネッサはそれを上回るテクニックや、時に強引な力技を見せながら、カレンの技を返していく。

「そらそらどうしたどうした!?おまえの実力はこんなものなのか!?」
「くッ!?」

ヴァネッサの挑発にカレンも負けじと必死に応戦する。
しかし弟子が師を超えることなどできないのか。
彼女の攻撃はことごとく返され、なす術もなく敗れてしまった。
全力を出し切ったカレンは悔しそうに荒い息を吐きながら、悠然と立ち上がる師匠を見上げた。

「寝技や関節技への連携を考えすぎて小さくまとまりすぎだ。
 おまえはシューター(打撃選手)なんだから、シューターらしくもっと大胆に攻めろ。
 決まったパターンにこだわらず、奇策・奇襲を積極的に使え。
 ・・・これからのおまえの成長、楽しみにしているぞ?」
「あ・・・ありがとうございましたッ!!」

優しい口調で言われ、カレンは驚いたように返事をする。
しかし再び冷徹な表情に戻ると、今度は進一のほうに向き直った。

「次はおまえだ、進一。
 カレン同様、これまでの調教で忘れている荒々しさ・・・野性ってヤツを思い出させてやる」
「え?それはどういう・・・」

ことですか。進一はそう言うことはできなかった。
ヴァネッサが野獣のように飛びかかり、進一の身体を貪り始めてしまったから。
しかしヴァネッサは中途半端に進一を弄ぶと、目標をカレンに変えた。
「あうっ!、お姉様っ!!。」
「ふふっ、可愛い声を聴かせて貰うよカレン。」
ヴァネッサは手に持つディルドーでカレンを犯す。
姉妹か母娘のように、どことなく似ている二人の絡みは美しいが、進一は置いて行かれたような気分でそれを見る。
「進一、主人を弄ぶあたしをどうにかしたいと思わないかい?」
カレンを弄びながらヴァネッサは進一に向けて美尻を振る。
自分の女が取られるような焦燥感が進一を動かすが、それはヴァネッサの思い通りだった。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す