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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 57

「言葉遣い!」
「は、はいっ、すみませんっ。もう油断したりして進一を心配させませんっ。
 言葉遣いも改めますっ。だからお願いっ、もっと優しくして〜!!」

必死に懇願するカレンに、進一は彼女を許し、優しい治療を再開した。
半年経っても、彼女は進一に主導権を握られたままらしい。
おそらくは一生この関係が変わることはないのだろう。
・・・いや。1つだけこの関係が逆転するときがあった。
それは治療の終わったそのときに訪れた。
それは、丁度係りの者がカレンを呼びに来た時・・・
進一は態度を改め、恭しくカレンをエスコートする。
これから賞金の受け取りと次の対戦の申し込みがある。
流石に、上下関係をしっかりしてないと怪訝な目で見られる。
進一のちょっとした態度がカレンの普段の評価に繋がるのだ。
進一が思わずボロを出し、マッチメイカーの機嫌を損ねて不利なマッチメイクを受けた事もあった。
やはり、ちゃんとしたニンフ人は奴隷である人間の振る舞いを見るし、それを躾る主人を見る。

カレンの未来を進一が潰す事になりかねないので、失敗してからは特に気をつけている。
それでも、たまにボロが出るから、本当は普段からやっておかないとと痛感している。
ただ、なかなか上手くいかないが・・・
何とか今回はボロを出さず、無事に賞金を貰い、「焼肉♪、焼肉♪。」と騒ぐカレンと共にアパートに帰る。
この食欲旺盛な主人は、進一がしっかり管理しているとは言え、殆どの稼ぎを食い潰してしまう。
特に牝を所有していなく、質の悪い合成母乳商品に頼らざるを得ない生活だから仕方無いのかもしれない。

だから、ファームに牝が欲しいのだが、この生活で得れる資金では不可能に近い。
相変わらず頭の痛い話ばかりで、頭を抱えたい進一だったが、ふとアパートの前で見慣れた車が止まっていた。
それを見た瞬間、進一は走っていた。
走る進一の前でドアが開き、中から美しいニンフ人が出てくる。
進一はそのまま、その人の胸に飛び込んだ。
「エレノア様ぁっ!!。」
そう、それは進一の母とも言えるニンフ人、エレノアだった。
「探したわよっ、進一・・・ずいぶん辛かったでしょ・・・」

今まで呼んだ事の無い様付けで泣く進一を、エレノアは優しく抱きしめる。
追いついたカレンが怪訝な顔をするが、進一は周囲を構わず泣く。
その後、何となく理解したカレンまで号泣したせいで、周囲は大変な事になってしまったのだ。


その後、部屋に戻りエレノアと改めて対面する。
エレノアは進一の実母である美由紀と進一の姉である悠美香を伴ってきていた。
悠美香は16歳で、受胎能力を無くして乳母となっていた。
しっかり者の姉だが、進一の父が相手していたから、進一はエッチした事が無い。

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