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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 51

「洗わなくても死なないぞ!。進一は意地悪だ!。」
「駄目です!。洗わないなら死んで下さい!。」
これ以上の言い合いは不毛とばかりに洗う用意をする進一を、カレンはムクれた様子で見ながら少しずつ距離を取ろうとする。
進一はそんなカレンを睨み付け、何か良い方法は無いかと思案する。
エッチはイマイチ無理そうだ。
食い意地が張ってそうだから食べ物か?
「ちゃんと言う事聞いて下さったら、手作りの料理を食べさせてあげますよ。何か食べたい物あります?」
そう言うと、カレンの顔が一瞬で輝く。


「ほ、ホントかっ!?ホントにいいのかっ!?」

子供のように目を輝かせるカレンに、進一は確信する。
自分ならこの野生児を生まれ変わらせることができる、と。
カレンの更生を確信した進一はにっこり笑ってこう答えた。

「もちろん。カレンがオレの言うことを聞いてくれるなら、ね♪」

その言葉にカレンが何度も首を縦に振りながら、『ハンバーグを食べたいっ!』と叫ぶのであった。
それから進一のカレン更生の生活が始まった。
朝昼晩と手製の料理を食べさせ、カレンの身体を毎日洗う。
油断すればあっという間にゴミ屋敷になる部屋をきれいに掃除し、カレンがごねだしたら説教をしたりHをしたりして、主人をおとなしくさせる。
さらにサボり気味だったトレーニングにも随伴することで、カレンに格闘家としてのレベルアップと自身の体力をアップさせた。
1番の問題はぼさぼさで、野人のように伸びた髪の散髪だった。
カレンはおしゃれには興味がなかったため、美容室は愚か理髪店に行くことすら嫌がったのだ。
やむなく進一が食事とHを条件に自ら切ることになったのだが・・・。
さすがに散髪なんてやったことのない進一は悪戦苦闘。
本を元に自己流で勉強するほかなかった。
そして新しい主人、カレンとの生活が始まって半年。
だらしない主人と種馬失格の烙印を押された種馬たちは、新しい生活にすっかり慣れ親しんでいた。

「なぁ〜。進一ぃ〜?ごはんまだか〜?」
「はいはい、もうすぐできますからね。
 箸で茶碗をたたいたりしないでいいコにしててくださ〜い?」

ある日の昼。空腹を訴えるカレンに、裸エプロンの進一は子供をたしなめるような口調でテーブルにできたての食事を並べていった。
かつては家事など得意というほどでもなかった進一だったが、カレンとの生活で今では主婦顔負けの腕前になっていた。
今ならかつての主人、フォルトナのメイドともためを張れるだろう。
前身にかけられたエプロンも、すっかり似合うようになっている。

「はい、今日はカレンの好きな肉じゃがですよ」
「おおっ!わかってるな、進一っ♪それじゃいただきま〜すっ!」

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