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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 46

「お風呂はどこですかご主人様!、それに寝床は!」
綺麗好きとは言わないが、少なくとも清潔にしたい進一は涙目で言う。
余りのショッキングな出来事に、以前のショックも吹っ飛ぶ。
「ああ、風呂はアレ、寝床はコレ。それからオレの事はカレンでいいぞ。」
カレン・・・絶対似合わない名前だと思いながら進一は彼女が指した物を見る。
どうやら、風呂と言うのは壁に立て掛けた大きな金タライらしく、寝床と言うのは一見敷物に見える彼女が座ってる物らしい。
流石に進一も目眩がしてきた。

「カレン様っ!、とりあえずお風呂してもらいます!!。一体何時から入ってないんですかっ!」
結構キレ気味に言う進一にカレンはあからさまに嫌そうな顔をする。
「一週間前には川で水浴びしたぞ!。風呂ぐらいで死なん!。」
どうやら風呂嫌いらしいが、こんなのは進一がたまらない。
進一は金タライをカレンの前に置き、こう言う。
「お風呂は毎日!。今すぐに洗ってもらいます!!」


十分後、ようやく金タライに水を張り、その中にカレンを入れて進一はタオルでカレンの身体を洗っていた。

水しか出ないが仕方は無い。
タオルで垢を擦り落としていく。
カレンは完全にムクれ、進一はひっかき傷だらけだ。
風呂するだけで猫のように逃げ回られた結果だった。
「進一は細かすぎるぞ。」
フォルトナとは余りにもかけ離れた新しい主の言葉に、進一は垢すりしながら無言で睨むと、カレンは更にムクれる。
ヘアの手入れもしたいが、櫛やハサミが無い。
彼女に聞くと、伸びたらナイフで削ぐらしいのでこんなにボサボサらしい。
「僕を所有した限りは、最低限綺麗にして貰います!」

主人とは言え、これは酷い。
ここでは普通だろうが、進一には許せるレベルじゃない。
真っ当なご主人になれるように自分が教育しなきゃならない。
何故か沸き上がった使命感に進一は燃えてしまっていた。
それは、あの挫折を忘れる為だったかもしれないが、このどことなく憎めないカレンが放っておけないのもあった。
柄になく『僕』と言ったのもそんな育てようと言う意思かもしれない。
「風呂ぐらいで死なんのに・・・進一は意地悪だ。」
自分が買った牡なのに、既に主導権は進一にあるようだった。

「駄目です!、言う事聞いて貰いますからね、カレン様!」
進一はカレンの豊乳をギュッと掴んで睨み付ける。
フォルトナ達には及ばないが、洗うとやはりニンフ人らしい極上のシルクの感触がする。
何より意外とムクれた仕草が可愛いしサイズならフォルトナ以上だ。
「カレン様は格闘家ですよね」
余りにムクれるので、ちょっと話題を変える。
「ああ、オレは駆け出しだからDクラスだ。」
戦闘民族だけにニンフ人は格闘好きだ。
中でも総合格闘技は大人気でテレビ中継もある。

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