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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 43

性的な快感を送れば送るほど、進一は凶暴性を増し。
今では狂ったようにできない自慰をしようとあがき。
女を見れば襲いかかる獣と化してしまっていた。
2人とも男の本能というものを甘く見ていたのだ。
現在進一は自室でスタンガンと同じ機能を持つ首輪をつけられ、部屋に閉じ込められている。

「まいったな・・・。これでは心の交わりを教えようにも教えられん・・・」
「男の方の性欲を甘く見ていましたね・・・」

進一を獣に変えてしまった張本人であるグレンダと亜美は、別室で困り果てていた。
正気に返そうにも、そのきっかけすら見つけられなかったのである。
どれだけ痛めつけようと、性欲を解消しようと荒んだ心は元に戻らない。
さすがにこんな状況をフォルトナに話すわけにもいかず、2人は主人から悪意のないプレッシャーをかけられ続けていた。
迫りつつある期日に、2人は進一を獣にした罪悪感とその先にある主人の怒りに、どうしていいかわからなかった。

「グレンダ様。やはりここは正直にフォルトナにお伝えするべきでは・・・?」
「ならん!フォルトナ様は、生まれ変わった進一との子作りを心待ちにしておられる。
 もしそれがあんなことになったと知れれば、どれだけ傷つかれるか、わかったものではない。
 ああ、どうすればいいのだ・・・」

コンコン、

そんな時。2人にある人物たちが進一との面会を求めてやってきた。
それは進一の家族である霧香とほのか。
彼女たちこそが、進一を救い、心の交わりというものを教えてくれる、グレンダたちの救世主であった。
彼女達が進一の部屋に入って行き、進一のうなり声が聞こえなくなった事にホッとするグレンダと亜美だったが、その様子を見届けたメイドが密かに屋敷を出て行った事には気づかなかった。
一見助かったように見えたのだが・・・それが彼女達と進一に訪れた最後の安息だったのである。


「どう言う事だ!」
それから暫くして、いきなり屋敷に現れた軍団にシエナが声を荒げる。
兵士の長と思われるニンフ人がシエナに尊大に言う。
「ルシュイン卿の命により、不良種馬を捕らえに来た!」

彼女達はフォルトナの母、つまりルシュイン家の当主の私兵である。
シエナも進一の教育が上手くいってない事は知っていたが、まさか当主にまでその話が言っているとは思わなかった。
「まだ奴は教育中だ。未熟なのは当たり前だろ!」
シエナの抗議を兵士長は鼻で笑う。
「言い訳無用!。理性を無くし野獣そのものになったらしいではないか!。そんな理性や節度や忠誠心の無い牡など、我が栄光あるルシュイン家の牡として相応しく無い!。だから、下賤の牡などはいかんのだ!!」

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