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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 5

「でもなあ・・・習得許可証が出たらしいんだよ」
「あっ!、そうなの?・・・それは残念かも」
彼女と話す習得許可証について説明せねばならない。
習得許可とは、ニンフ人が人間の男を所有する事・・・即ち、ニンフ人の言う所の結婚のような制度である。
習得許可を得たニンフ人は、ファームと呼ばれる家庭を作り、人間の男一人と人間の女を十人程度を所有できる。
進一の家庭も勿論、家長と呼ばれるニンフ人のファームの中にあり、家長の家の周囲にファームの各家庭があり、進一の父は各家庭を回りながら種付けしている。

因みに、ニンフ人とニンフ人ハーフは多少見た目や能力が違う以外は権利等は同じ支配民族である。
そして、ニンフ人が人間の男と産むのはニンフ人ハーフとなるが、人間の女なら混血でもほぼニンフ人に近い混血となる。
エレナと進一は気軽に喋っているが、身分は庶民と貴族のように違いがあるし、彼女ら(彼ら)の命令には逆らってはいけない決まりがある。
ただ、人間の男は人口調整の為に少ないので明らかにニンフ人に逆らわない限りは重宝はされる。
しかし、人間の女の身分は低く家畜扱いであった。


「進一の所有相手って誰なの?」
「詳しくは知らないけど、姉さんやほのかの最初の相手らしいよ。エスメラさんなら詳しく知ってるんじゃない?」
エレナに聞かれた進一が答えたエスメラとは、エレナの母親で進一のファームの家長である。
即ち進一とエレナは父親は同じなのだが、母方のみ兄弟姉妹と扱うニンフ人の風習の為に兄弟姉妹にはならない。
むしろ幼なじみと言った所だ。
「へえー、それじゃあ珍しく若い子なんだね?」
進一は会った事無いが、エレナは多少は知っているらしい。

ニンフ人は少なくとも一人、多ければ数人を孕ませ女性化するが、ファームを作るまえに自分も数人孕んでからの場合が殆どである。
「若いの?」
「うん、霧香とほのかを孕ませて女性化した後はまだ妊娠経験無い筈よ。15歳ぐらいだった気がするけど、二人から何も聞いてない?」
姉の霧香がニンフ人の子を妊娠し出産したのが一年近く前・・・
見た目は成長していても子宮の発育不良で妊娠可能になったのが16歳と遅かったが、よくある話である。
逆に順調に発育したほのかは、半年前に霧香と同じ相手に種付けされたらしい。

ほのかに種付けしてから女性化したらしく、珍しく処女・・・しかも童貞に目をくれずファームを作ろうとする辺り、かなり変わっているかもしれない。
「会った事はないから噂話だけだけど、かなり身分の高いらしいよ」
「ふうん、そうなんだ・・・」
流石にエレナはニンフ人の端くれなので、それなりの情報を持っているらしい。
とにかくは学校が終わってからエスメラさんに呼ばれているからなと、進一は期待と不安を半ばにしながら学校に向かったのだ。



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