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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 39

「瑞穂・・・すまない」
冷静になったフォルトナは素直に瑞穂に謝る。
この素直に過ちを認めれる所が彼女の長所で、人の上に立てる器の証拠であった。
「いえ、フォルトナ様はいいのです。みんなまだ幼いだけ、成長すればフォルトナ様に満足して貰えるようになりますわ」
優しい笑みを見せる瑞穂に、逆上した自分の諸行を恥じるように顔を少し赤くしたフォルトナが聞く。
「それで亜美を進一にけしかけたのか?」
「いえ、あれはグレンダ様が求められた事なのです。相談は受けましたが、教育係には最適だろうと・・・」

フォルトナの問いに、瑞穂はそう答える。
亜美には弟がいて、かつてその弟を立派に教育し、他のファームに送り出した実績があった。
グレンダの趣味で筋骨隆々の男ばかりを相手に種付け、出産したが、彼女の好みは弟のような男の子だと瑞穂は気づいていた。
グレンダの方も亜美を側においておけるから乗り気で、二人によって亜美が進一の相手に選ばれた経緯があった。
フォルトナも亜美なら納得する事も分かっていた。

その亜美は、進一とまだ交わっていた。
正確に言うと、繋がった状態のまま進一に話をしていた。

ファームがどう言う所かと言う手ほどきのようなものである。
基本的な家庭では、進一の歳ぐらいからファーム教育を始めて、20歳を越えてファームに入るパターンが殆どである。
進一の身分から言えば、今回のファーム入りは早すぎて、教育を始める前に入ってしまった。
だから進一は、ファームの事は無知に近い。
亜美はその為に、進一にファーム教育をするつもりなのだ。
かつて、自分の弟にしたように・・・
「いいですか、進一様。私達牝とニンフ人が身体的構造が似てるからと言って同じ牝と思ってはいけません。」

そう切り出した亜美は、そのままニンフ人の特性を説明する。
男として産まれるニンフ人は、女性化しても男の精神を保ったままである事が多い。
特に戦闘種や支配種等の高位種族は、その傾向がかなり強い。
それはニンフ人が戦闘民族である事も関係している。
だから、進一が牡らしく振る舞うと、牡の本能が支配しようと働いてしまうのだ。
それで搾られるから技術を磨いて対抗しようとすると、更に牡の本能が強くなるので逆効果なのだ。

勿論、女性化と共に女の本能も芽生えるが、そうなると牡の本能に負けて出てこない。
精力や技術やらは人間では全くニンフ人に敵わない訳だから、無理に対抗しようとしない事が、逆に上手くやっていく秘訣なのである。
さすれば、どうすればいいのか・・・
進一がそんな疑問を口にするのも当然かもしれない。
その進一に亜美が示した答えはこうだった。
「進一様にはまだ難しいかもしれませんが、牝になる気である方がいいと思います。」
進一には驚きの答えだった。

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