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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 38

何しろ彼の若さで相手したニンフ人の数は20人以上。
優良遺伝子の持ち主とは言え、これだけ相手をしていて進一を自分のものにしようとするものがいないなんておかしすぎる。
だからこそフォルトナは『彼と子作りしたニンフ人は一般階級で、所有権に手が出せなかった』と考えたのだ。
しかしふたを開けてみればどうだ。
彼には教師レムリアと、子作りの関係があった。
あの様子からすると、進一は所有権を取れるほどのお金持ちと出会えなかったのではなく、彼を気に入ったニンフ人たちの間で『共有』されていたのだ。
しかも友人のシャスティとアルカニーナも彼を気に入った様子。
下手をすると、色香に迷った進一が彼女らと関係を持ち、自分より先に子供を孕ませるかもしれない。
それはフォルトナにとって、何よりも屈辱的なことであった。

(こうなれば誰よりも先に私が進一の子供を宿さねば――!)

フォルトナはできる限り平静を取り戻そうと、ひたすら霧香たちに焦りと怒りをぶつけるのであった。
フォルトナは連れて来なかった筈の霧香とほのかをわざわざ呼び出すぐらい逆上していたが、やはり上位ニンフ人と言ってもまだ15歳であると思えば仕方無い事かもしれない。
根本的にフォルトナの所有物となった進一が、過去はともかく今から彼女の許しなくファーム外のニンフ人とセックスする事は制度上ありえない。
そんな事をすれば刑罰として進一はペ○スを切り落とされる。
そんな事すら見失ったフォルトナに、他のメイドが口出し出来ぬ中、瑞穂が前に進み出た。

乳母である為に巨大化した乳房のせいでメイドに片乳ずつ抱えて貰わないと歩行困難な彼女がフォルトナの前に来ると、お付きのメイド二人は生きた心地も無く青ざめていた。
こんな状況の主人の前に出るのは恐怖以外の何者でもないが、瑞穂は平然とフォルトナと対峙する。
「フォルトナ様、それ以上はお腹の子に障りますわ。」
瑞穂の言葉にフォルトナは不機嫌そうに顔を上げる。
瑞穂はフォルトナ所有の乳母だが、同時にフォルトナの産みの親である。

乳母は受胎能力を失った分、母乳は大量かつ上質であり、それゆえ重宝されるのでファームでの地位は種牡より高い。
瑞穂の言葉はそれもあるが、それだけでない何かでフォルトナの行為を止めていた。
「心配いりません。ファームに入った子は、この瑞穂が我が子と思ってフォルトナ様が気に入るようにちゃんと育てますから。」
誰とは言ってないが、それは霧香やほのかだけでなく進一も含まれるのだろう。
フォルトナは瑞穂の言葉で冷静さを取り戻した。

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