PiPi's World 投稿小説

地球卵
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 31
 33
の最後へ

地球卵 33

今は、もう一人のSPのグレンダの膝の上である。
シエナよりやや低いが、それでもかなり長身のグレンダは、シエナが虎なら彼女は豹のような印象があった。
それでも猛獣に違いないので喰われる覚悟もしたが、彼女は「万年発情の人間の牝と一緒にするな。我々にとってセックスは娯楽と運動だ。」と言って膝の上に進一を乗せたまま、進一の回復を優先させているようだった。
彼女の言うように、人間の女は常に発情状態だが、処女か経験が薄いうちは性欲も開花していなく、メイド達は少し頬を染めるのみであった。

たとえ襲われた所で、人間レベルなら消耗した進一でもどうにかなるのだが、今はそんな気分ではなかった。
いや、それどころか何もする気がおきなかった。
進一は倦怠感に身を任せ、ミルクコーヒーを飲みながらグレンダの柔らかい胸に時折顔を埋めていた。
今にして思えば、父には父の苦労があったんだと思う。
進一には何も見えていなかったが、支配民族ニンフ人に仕えると言う事はこう言う事なのだろう。

フォルトナの所有物となって家を出るまで、知らなかった過酷な世界。
今になって、いまだに疲労の影すら見せずに母たちを抱いていた父の偉大さを思い知った進一であった。

「・・・まだまだオレって子供だったんだなぁ」
「・・・何を急に悟ったようなことを言っている」

思わずもれた進一のつぶやきに、グレンダは呆れたように言った。
このグレンダというニンフ人、外見や対応の仕方こそ冷たいが、付き合ってみるとこれが意外なほど優しい女性であった。
支配民族であるにもかかわらず、こうして進一を癒してくれるし、様づけでよぶと呼び捨てでいいと言ってくれた。
ちなみにさすがに呼び捨ては気まずいのでさん付けで呼ばせてもらっている。

「あ、いえ・・・。今まで自分は絶倫だから、ここでもうまくやっていけるってうぬぼれていたんですけど。
 フォルトナ様やシエナ様の相手をして、自分がいかに未熟か、思い知ったんですよ。
 これからはフォルトナ様たちを満足させられるようにがんばらないと」
「人間のくせに思い上がるな。
 だが、自分の欠点に気づき、直そうとすることはいいことだ。
 練習相手がほしいときはいつでも声をかけろ。付き合ってやる」
「ありがとうございます。それじゃさっそく付き合ってもらえますか?」

ぶっきらぼうな言い方に見え隠れする彼女の優しさに、進一はクスリと笑いながら感謝を示し、協力を求めた。
思い立ったが吉日、すぐに効果が出るものではないのだから、時間の許す限りは努力しよう。
進一はそう思ったのだ。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す