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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 21

しかも彼女達には全く悪気がないのだ。
「オ○ンチン引っ張らないで下さい!」
「駄目だな。これは私のものだから、聞く事はできないね」
進一の抗議にも、フォルトナは上機嫌でそう答える。
しかも機嫌がいいせいか随分歩調が速く、進一はまるでペンギンのような歩き方でついていく羽目となった。
それでも、玄関を出た所で進一はここに来て何度目か分からぬ驚きに襲われる事になった。
玄関にあるのは、俗に言う大型バスだった。
外見から特別仕様の観光バスのようにも見えた。

「・・・これで行くのですか?」
「そうさ、これぐらいなら全員乗れるからね」
事もなげに言ってのけるフォルトナに連れられてそのバスに乗った瞬間、進一は更に驚く事になる。
バスの中は移動する家と言っていいような造り・・・しかも調度品は進一でも高級とわかる品々だった。
「少し控え目で小さめな造りだが、結構気に入ってる」
事も無げにそう話すフォルトナだが、進一は凄い所に来たもんだと驚くしかない。
彼の所属したファームの主、エスメラの邸宅の豪華さは、進一も子供心に凄いと思っていた。

だが、そのエスメラが庶民だったとフォルトナを見れば思い知ってしまった。
驚きながらも進一は、バスの二階部分のリビングのような場所にフォルトナと共に行く。
乗り込むのはSPと数人のメイド、そしてあの瑞穂のようだ。
霧香とほのかは身重だから留守番なのだろう。
見送りの二人の驚いている顔が窓越しに見える。
フォルトナはそんな様子を微笑んで見ながら、あくまでも優雅にソファーに腰掛ける。
進一もフォルトナに連れて行かれるままにソファーに座らされた。

ただ、メイドや瑞穂までが床に控えているのを見ると居心地が悪く感じてしまう。
「僕、ソファーでいいのですか?」
ついつい聞いてしまったのは、良心の呵責である。
だが、フォルトナの答えは進一の想像から大きく外れていた。
「どうした?、私の膝の上がいいのか?、この甘えん坊め!」
進一の問いにフォルトナは嬉しそうに答えて有無を言わせず進一を膝の上に乗せた。
そして、進一が何か言おうとするのを察したのか、進一の唇をキスでふさいだ。

やわらかい感触と甘い唾液の味が、口いっぱいに広がっていく。
普通、唾液なんてものは甘くないはずなのだが、相手は上流階級のニンフ人だ。
人間の常識など当てはまらないのかもしれない。
しかし事あるごとにこれでは身が持たない。
今日から快感に免疫をつけるためのトレーニングをしたほうがいいかもしれない。
進一は甘い快感に耐えつつ、そんなことを考えた。
さて、フォルトナの通う学校は、豪華なバスで1時間ほど揺られたところにあった。

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