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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 19

一般庶民(即ちメジャーやマイナー種)と違い、普通ならメインの仕事である搾乳も、ここではあくまでもサブの仕事で、むしろ乳女への種付けや主人の相手の方が重視される。
それこそ猟犬や番犬と愛玩犬ぐらいの違いがあった。
だから進一の一日は、主人であるフォルトナに付き従う事がメインであるのだ。

まだ若いフォルトナは学生であるので学校に行くが、彼女の学校は特権階級しか行けない所謂お嬢様学校で、多くの付き人を連れて行く事が可能だった。

基本としては、SPとメイド、必要なら種付け牡や乳母すら連れていけるようになっていた。
勿論、メイドを連れて行くのは目的があって、自分の世話以外に種付け牡に相性の良さそうな牝メイドをトレードしたりする為でもあった。
特権階級である彼女達は早くにファームを持つ者が多いし、持っていなくとも将来のファームの為に皆が備えている。
支配層にとって、優秀なブリーダーである事がステータスであるからだ。
「今は霧香とほのかしか乳女がいないが、良い娘がいたら貰ってあげるよ」

優しい笑みでそう言うフォルトナの表情は、まさしく主人としての笑み。
ニンフ人にとって人間は子孫を残し糧を得る家畜であるが、彼女達のような高位になればペット的な要素が大きくなると言う事だろう。
彼女の表情から察するに、頭の中にはどんな配合で優秀な子供ができるか考えているようであった。
そして、食事を終えたのを確認したフォルトナは進一にとびきりの笑顔を見せて言った。
「食べ終えたようだね。おいで、いいものあげるよ」
「はい、フォルトナ様」

それが何であれ拒否できないのが今の進一の立場。
だが拒否できたとしても、あのとびきりの笑顔を見せられれば男として断れる訳はない。
進一が近づくと、フォルトナは腕を掴んで自分の膝に進一を抱き上げる。
それは本当にペットを膝の上に乗せる仕草だった。
抱き上げた進一の首にフォルトナは嬉しそうに何かを付ける。
それは、首輪・・・
ファームに入った証のようなものである。
「ふふ、色々探していて今朝届いたばかりさ」
嬉しそうなフォルトナは、姉や妹から羨ましいがられる進一のサラサラの髪を撫でて言う。

それは黒いラインの入った、白銀に輝くシンプルなデザインの首輪。
その中央には緑色に輝く四角錐の結晶、エメラルドらしき宝石がはめ込まれている。
そしてその宝石の中にはどうやって彫ったのか、何かの図形らしきものが見て取れた。
その図形が何なのかはわからないが、およそニンフ人が種馬やペットでしかない地球人に与えるような代物ではない。
それだけは宝石関連に興味のない進一でもよくわかった。

「と、とんでもありませんっ!こここ、このような高価な代物!?」

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