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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 17


「・・・まさか、あのときもらったミルクの効果で?そんな、まさか!?」
「驚くほどのことではございません。
 世界有数の乳母、瑞穂様の母乳でございますれば」
「みずほ・・・?ええッ!?ま、まさか瑞穂って、あの!?」

瑞穂の名前に進一は今度こそ驚いた。
なぜならその女性、人間の搾乳をしているものなら誰でも知っているほどの有名な女性だったからだ。
人間の女性はニンフ人に処女膜を貫通されて妊娠する訳だが、長年の改良の結果、初産と共に良質の母乳を大量に出すようになっていた。
幸いな事に、ニンフ人と人間の味覚はほぼ同じ・・・いや、同じ系統の味覚で更に敏感なので、ニンフ人が美味しければ人間も美味しいのだ。
その中でも受胎能力を無くしたり、極めて低い者がなる乳母は乳女以上に高品質の母乳を出す。
彼女達は、母乳を出す以外に利用価値が無いからニンフ人が改良してきたのもあるが、理由はそれ以外にもある。

上位の優秀なニンフ人を出産した乳女は受胎能力を失ってしまう者も多い。
そうなった者は、最上級の中でも最上級の母乳を出し、その量もとてつもないのだ。
その証明が、ギガンテックサイズと言う、片方で爆乳が基本の乳女の両方ぐらいはあるバストなのである。

しかも、産まれたニンフ人の優秀さに質が比例するとも言われていた。

瑞穂はフォルトナの母(当時は父だったが)に種付けされてフォルトナを産み受胎能力を失った。
それから出す母乳は、フォルトナの能力を表すように高品質だった。

各種のセレクションで何年も金賞を取り、雑誌やテレビで紹介されるぐらいであった。
進一は、フォルトナの家が有名なトップブリーダーである事を今更ながらに思い出した。
確かに彼女クラスの母乳なら、ローヤルゼリーならぬローヤルミルクと聞いていたが、初体験してそれが控え目な表現だと思うぐらいだった。
そんな高級品、庶民で人間の進一が飲める訳なかった。
若いせいや、優良種子提供者と言うのもあって進一の回復力は人並み以上だが、それだとしてもこの回復力は驚異的だった。

驚きっぱなしの進一に、メイドは優しく微笑んでいた。
そんな朝のゆったりとした一時を破ったのは、ズカズカと言う大きな足音だった。
足音と共にバンと扉が開き、あの護衛のニンフ人が入ってくる。
彼女は裸に金属製のグローブとブーツだけの姿。
これでヘルメットをつけて武装である剣を帯びると護衛の標準装備となる。
「ようやく起きたか、寝坊助め」
口調はキツいが顔が笑っている。
これが彼女の普通なのだろう。
「おはようございますシエナさん」

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