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地球卵
官能リレー小説 - SF

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地球卵 13

そして、男として生まれるニンフ人の恋愛思考は男性的・・・つまり、恋愛対象は女なのである。
しかも恋人として付き合うのは殆ど例外なくニンフ人同士(つまり女同士)で、ファーム内においては人間の女を対象にする場合もある。
だからファームの乳女も、家長の好みで揃えられ、男の決定権は当然全くない。
家長のニンフ人と男の関係は愛情を注いだり可愛がったりするが、恋愛はない・・・むしろその関係はペットと言った方がいいのかもしれない。

しかし地球人男性から見れば、たまったものではない。
極上の美人たちにお近づきになれるかと思えば、肉体的にも精神的にもズタボロにされるのだから。
Hするだけでも命がけなのに、自分をバイブやペット扱いされた挙句、自分の女までいいようにされるのだ。
男の面子(プライド)をサラサラの砂になるまで粉々にされたようなものである。
そのため一部では男尊女卑を訴えるテロリズムや、ニンフ人を満足させようと研鑽を積んだりする動きが後を絶たない。
もっとも前者も後者も、成功したなんて話は一度たりとも聞いたことはないが。
初めてニンフ人と初めて子作りした進一は、ファーム入りを祝福してくれるエスメラの言葉などまるっきり無視して、自らのふがいなさと人知を超えた未知の快楽との間でその頬をぬらしていた。
だが彼が絶望するのはまだ早い。
進一はまだ何も知らなかったのだ。
基本ニンフ人1人を中心に作られる子作りシステム『ファーム』。
だがそんなシステムにもある例外が設けられているということに。
現実と虚構の間で心をさまよわせる進一に、2人のニンフ人が彼の手をつかんだのである。
それはフォルトナのボディーガードとしてつき従っていた2人のニンフ人であった。

「おい、いつまで放心している!?おまえの仕事はまだ終わっていないぞ!?」
「まだおまえにはフォルトナ様のファーム所属、我々SPを満足させてもらわなければならないのだからな」

そう。フォルトナのような上流階級の一部では、自らのSPや執事などをファームの一員として特別に迎え入れることがあるのだ。
それは仕事柄、護衛対象からあまり離れることのできないニンフ人たちを思いやっての例外的措置であった。
フォルトナとの交尾に当てられた2人は、早く進一を味わおうと、ぐったりしたままの進一を強引に連れて行こうとする。
それに対し、母であり主人でもあったエスメラはあわてて待ったをかける。

「お待ちくださいっ。進一は今、家長であるフォルトナと交わったばかりなのですよ!?
 もう少し休ませてください!」
「申し訳ありませんが。
 この男がフォルトナ様に認められた以上、すでにこの男はフォルトナ様のファームのものです」

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