GUARDIAN GIRL 2
いつものように学校から帰って来ると園長先生に呼び止められて、普段は使っていない応接室に連れてこられた。
そこで待っていたのは軍服を着たおじさんだった。
「武美リョウト君だね」「はい…」
「単刀直入に言おう、驚かないで話を聞いてくれ」
「はぁ?」
軍人さんに呼び出される理由に見当も付かず、生返事をしてしまう。
「君を軍にスカウトしに来たんだ」
「えぇぇ!」
何をやらせても平均的なボクをスカウト?
「なんでボク?」
「今は詳しくは言えないが、我々には君が必要なんだ、来てくれないか?」
「そんな事急に言われても…」
「待遇は保証するし、悪い話ではないと思うが…まあ、今すぐ返事なんて無理は言わん。一週間後にまた来るからいい返事を期待しているよ」
軍人さんは一方的に話をすませるといくつかの資料を置いて帰ってしまった…
「いきなり、軍隊に入れなんて言われてもなぁ…」
部屋に一人残されたボクは、大きくのけぞり天井を見つめ呟いた…
ボクにも家族のかたきを取ろうなんて考えた時期もあった。
だけど、その相手も出てくる事もなく次第にそんな気持ちも無くなっていたんだ。
やっと、普通の生活に戻ってきたのに軍人になんかなるのもなぁ…
「で、どうでした?鬼島さん」
20代半ばの女性が車に乗り込んだ軍人に訪ねる。
「人は悪くは無さそうだが、人類の未来を握るプロジェクトの中心にしては頼りないな…」
鬼島と呼ばれた軍人は答える。
「でも、ようやく見つかった適合者ですし贅沢は言えないですよね」
「代わりがいるなら選ばんが我々にも、彼にも選択の余地は無いからな、一応選べとは言ってきたが断れば無理矢理にでも来てもらうさ」