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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 2

すると2匹は胸の谷間に押し込まれ・・・姿を消してしまった。
胸の谷間にうずもれてしまったとか、そういった類ではない。
本当に胸に押し込まれた2匹の怪物が消えてしまったのだ。
一体どういうことなのか?

「ンっ!?」

そう思った瞬間、バズーカ女はいきなり色っぽい声を上げた。
自分の身体を両手でかき抱き、何かに耐えるようにしながら喘ぎ続ける。
「ンくっ!ふあッ!?こ、このっ。お・と・な・し・く・・・しなさいっ!」

女が何事か叫ぶと、女は喘がなくなった。
わけのわからない状況下で、女はポツリとつぶやいた。

「・・・ふう。ちょっと時間を食っちゃったわね。
 『アパレント・アトム』のみんなが来る前に、さっさと片づけないと!」

女はそう言い残し、公園から姿を消した。
彼女の言い残した言葉『アパレント・アトム』。
それは最近世間をにぎわせている謎の集団の名前であった。

――――

その頃。唯一謎の女の魔手から逃れた卵型の影は、電柱のそばで一息ついていた。
街灯と月明かりであらわになったそれの姿は、先に捕まった2匹にもれず、何とも奇妙なものだった。
それは卵型うんぬんと言うよりタマゴそのものだった。
中央には黒い穴が開いており、そこから手と思われる短い3本の指を出し、2つの眼光がきらめいていた。
それにとって、今日はまったくろくでもない日であった。
いつものように仲間と一緒に食料を漁っていたら、あの女が現れて自分たちを追いかけ回し始めたのだ。
追いかけられることなど日常茶飯事だった3匹は、いつものように煙に巻こうとしたのだが、振り切れられないどころか逆に捕まえられてしまう始末。
仲間を見捨ててしゃにむに走らなければ自分も捕まっていたに違いないとそれは思った。
しかしそれの悪運はまだ終わってはいなかった。
むしろこれからが始まりと言ってもよい。
後にそれは仲間に語る。
『あんな目にあうくらいだったら、最初から仲間と一緒に捕まっていればよかった』と。

「あなたがこのあたりで騒ぎを起こしている野良怪人ですか?」
「!!」

驚いたタマゴが振り向くと、そこにはいつの間に近づいてきたのか、1人の男が立っていた。

「はじめまして、野良怪人さん。
 私の名前は翔影。正義の味方です。そしてあなたにとっての、死神」

次の瞬間、タマゴはなけなしの力を振り絞って男にニワトリの卵のようなものを男に向かって吐き出していた。

――――

・・・ドカァーンッ!!

『!!』

閑静な住宅街に響き渡る大きな爆発音。
それはタマゴを追っていた謎の女だけなく、女がこぼしていた『みんな』とやらの耳にも届いていた。

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