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神装機伝アハトレーダー
官能リレー小説 - SF

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神装機伝アハトレーダー 8

ー翌日ー

流星はアインをバイト先の土建屋に連れて行く事となった。
細かい事は伏せて『バイトの都合休みます』程度の報告だが、学校側も経済的事情を考慮している上、何だかんだで二人とも成績は良いので融通が利く。

「兄貴!ケツに乗れよ!」

流星がエンジンをふかす真紅のビッグスクーターにアインが跨がる。
元ユーザーがホンダだかカワサキだか、ヤマハだかスズキだか解らない程に外装を加工してしまった為、格安で買えたそうだ。

それにしても何故か『ケツに乗れ』という辺りで弥生がニヘッと笑ったような気がしたが、アインはその(どことなし性的な意味の)寒気を振り払う。
昨夜、何故か流星のベッド脇にワセリンの小瓶とコンドームが置いてあったが、それと何か関係あるのだろうか。
流星も意味は解らないが姉貴の悪ふざけと言っていたのでアインもスルーした。
男同士背中ごしにセンチメンタルが始まる事もないしフライアウェイ飛んでかない。
そんな二人を見送ってトボトボと弥生は登校する。

「お父さんお母さん、弟をホモに導く道は、険しいみたい。」

腐女子ゲージを凹ませた、弥生の自宅から十数分の徒歩で通える高校。
そういえば自分と同じ二年生で同じクラスの大蛇院卯月が最近不登校がちだ。
彼女は以前からウチの弟が(ペット的な意味で)お気に入りらしい。
しかし弟がノンケに走る以前、犬猫扱いという意味で好かれてる辺りは痛い、これだからお嬢様は困る。
しかし現実的に富豪の娘とくっついてくれれば…などと皮算用していた弥生は校門で生活指導のウホッ!いい男?な体育教師に呼び止められた。

そして校長室へ直行するよう命じられた。

「え?」

ー校長室ー

執務机にふんぞり返る初老の美女、年齢不相応に垂れない胸が妬ましい。
それはそれとして弥生の隣には一年生の女子が二人、確かテニス部で大蛇院卯月の取り巻きだ。

「星見崎さん、そこの二人の証言によれば貴女は昨夜、国籍不明の外国人男子を自宅に連れ帰ったとか?」
「えーと…間違いありません。」

そう答えるしかない弥生、この二人は部活で遅くなった帰りにでも目撃したのだろう。
面白半分の告げ口してやったりニヤニヤと笑うテニス部員二人、しかも一年(B〜Cカップ)という辺り腹立たしい。

「ですがそこの二人、二年生の教室に侵入して黒板に卑猥な落書とは、どうかと思います。」

朝練の時間帯、弥生のクラスの日直が落書の現場を携帯のカメラで押さえてご用。
賢明な判断だったろう、こういう手合いは真っ向から咎めると余計にややこしくなる。
相手が弱そうなら居直って脅しにかかり盗人猛々しく共犯者扱いにする。
反対に強そうならか弱い女の子に化けて、むしろ自分が被害者と言わんばかりの態度に出る。
どうやら校長もその辺はわかってるらしく、一年坊二人はこんこんとお説教を食らい既に涙目、被害者である弥生も納得がいった。
訳あり外人ならぬ人外を匿う以上、これぐらいのトラブルで済んだのは御の字だ。

頃合いを見てナイスミドルな教頭がセクシーなハゲ加減を輝かせながら『校長先生その辺で』と紳士的に救いの手を差し伸べる。

「…という事です星見崎さん、貴女も弟さんをよく指導するように、よろしくて?」
「え?あ?はい?」

弥生は狐に摘まれた様な表情で校長室を後にする。
何より落書の内容が気になったので、通報者である日直の女子生徒に画像を見せて貰えないか頼んだ。

「ヤオイちゃん…じゃなくて弥生ちゃん?あまりその…興奮しないで…ね?」
「…ここここ…これはなんと…けっけっけしからん!」

アインとおぼしきマッチョな外人がヤ○マジュンの『男狩○』スタイルで、流星を抱えて貫いている姿であった。
それもテニス部には勿体ない程の画力、弥生は我を忘れて人間を辞めた感じの雄叫びを上げていた。

「はわわ…弥生ちゃん…じゃなくてヤオイちゃん…お気を確かに…。」
「この娘むしろ自分に浮いた話がない事は疑問を抱かんのだろうか。」


ー竹尾ゼネコンカンパニイ(有)ー

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