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時間停止能力
官能リレー小説 - SF

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時間停止能力 4

「「乾杯〜〜!」」
祐一は、11度目の乾杯を経験していた。
入店するときにSaveして、合コン参加の女を片端から味見して、Loadしていたのだ。
今回参加した女は、全員味わった後だ。
10人中処女は3人。お嬢様学校相手だと、もう少し処女率が高い。
3人処女が混じっていただけ、マシかも知れない。
逆玉を狙えるような女は一人も居なかったので、できるだけ存在感を薄くしてやり過ごすつもりだった。

6年後、祐一は研修医になっていた。
友人達には、クソ真面目な性格で通っている。
女遊びをする気配が、全く無いためだ。
遂には、男色家疑惑が浮上する始末だ。
実際のところは、トンでもない量の女性経験を誇っているのだが。
時間を止めてラブホで抱いた女は、1万人近くに及ぶだろうか?
合コンでの味見も、三千人を超えている。
自分が性病に感染しないよう、女を抱く前に診察するから、性病診断が特技になったくらいだ。

祐一の種で出産に及んだ女も、軽く千人を超えるだろう。
具体的な追跡調査無しの、推測に過ぎないが。
そろそろ、時空管理局が異常に気付く頃だろう。
今さらばれても、惜しくないくらい遊んだから、悔いは無い状態だ。
将来的な生活プランも出来上がっている。
進学資金にするつもりだった株は、パチスロで金を稼いで温存して運用していたから、額面が2億を超えている。
医者としての腕も、研修医の水準を大きく越えている。
知識面だけでなく、執刀技術も群を抜いている。
SaveとLoadで練習を繰り返しているから、経験の蓄積が多いのだ。
難点を挙げるとすれば、逆玉の相手にする女を、いまだに見つけていない事くらいか。
それにしても、急いで見つける気になれない。
時間操作能力がなくなる場合は、私生活は暇なほうがいい。
「くはぁ、疲れた〜」
クタクタになって帰宅した祐一は、ベッドに倒れ込んだ。
日課となった、手帳へのスケジュール記入を行う。
行動に区切りがつくごとに、何をしたか覚書を書いておくのだ。
時間の往復をしていると、気付かずに超過労働をしてしまう。
眠った後にLoadして、休んだつもりになると、危険なのを体験している。
経験上、SlowやStop状態で眠っても、休息にならないらしい。
休息は出来ないが、加速状態で入浴や食事をすれば、休息に充てる時間が増える。
「睡眠時間が不足しすぎているよなぁ」
働けば働くほど、仕事は集まってくる性質がある。
乞われるままに雑用を片付けていたら、病院内で便利な人として認知されたらしい。
明日は絶対に文句を言おうと、心に決めて祐一は眠りについていた。

それから更に3年後、祐一は専門分野を持たない天才外科医として有名になっていた。
普通は優秀であるほど、特定の臓器に特化するものだ。
常識に反して、彼の場合はSaveとLoadでどんな難手術でも、初見で完全にこなしてしまう。
その気になれば、事前学習に充てる時間はいくらでも取れるし、現物で練習もできるのだ。

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