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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 135

啓太が組織見学をすると聞いたギャラリーたちは、いいところを見せてポイントを稼ごうとでも考えたらしい。
あわただしい様子で食堂から出て行った。
その様子に夢がキラリとその目を光らせたことに誰も気づいていない。
・・・何はともあれ、こうして夢プロデュースの『新組織見学会』の幕が上がった。

「で?まずはどこから見て回るの?」

食事を済ませ、やる気満々の啓太が鼻息も荒く夢に尋ねる。
ろくでもないことを考えているのがまるわかりだ。
・・・きっと啓太が夢に会うまで童貞だったのは、こういうところが女子と付き合えなかった要因の1つなんだろう。
しかし啓太を敬愛して止まない女怪人たちは、そんな啓太を頼もしそうな表情で見つめるばかり。
全く果報者の主人公である。

「まずは各部署のまとめ役の集まる親衛隊の部屋にご案内します」
「『しんえいたい』?」
「はい。啓太さまの護衛からお世話まで、何でもこなす選りすぐりの怪人たちのことです。
 基本的に各部署の部長、副部長で構成されており、その容姿、実力ともに啓太さまのご期待に沿えるものだと自負しております」
「おお・・・っ!」

いつになく自慢げに語る夢の様子に、啓太の期待はイヤがおうにも高まっていく。
しかしそんな夢にナイトメアは苦言を呈す。

「・・・夢さま。ご自分担当の部署だからって気合が入りすぎですよ。
 少々落ち着かれてください」
「・・・へ?夢の部署?」

ナイトメアの言葉に啓太は気の抜けた声を上げる。
その隣では夢が苦虫を潰したような表情でナイトメアをにらんでいる。
しかし当の本人はそんなことなど気にすることなく、啓太に説明する。

「はい。この部署は親衛隊などと言っていますが、実際は各部署への指令室みたいなものなんです。
 そしてそれを束ねるのが啓太さまに次ぐ地位にいらっしゃる夢さまなんですよ」
「夢の大将、自分のいいところを見てもらいたいからって張り切ってんだよ。
 かわいいところあるよなー!」
「う、うるさいっ!?私だって啓太さまの所有物なんだ、ちょっとくらい役に立つところを見せたっていいだろうッ!?」

ナイトメアとビーストにからかわれ、顔を真っ赤にして怒る夢。
その様子がとてもほのぼのしていて、マンションで鈴・空と一緒に暮らしていたあのころのことを思い出させた。
おっとそんなこんなをやっているうちに目的の場所に着いたようだ。

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