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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 2

とにかく啓太は彼女の様子を見てみることにした。
まずは目に付いたのは全身についている傷。
擦り傷・切り傷だらけだが、出血はひどくない。
命に別状はなさそうだ。次に生死の確認。
順番が間違っているのはまだ混乱が抜けきってないせい、ということにしておこう。
豊かに膨らんだ胸をじっと見る。
大きな乳房のせいでわかりづらいが、緩やかに呼吸している。
(良かった。生きている)

そうわかった瞬間、啓太はようやく自分が変態まがいの行為をしていることに気がついた。
お〜お〜。耳まで真っ赤にして辺りを見回している。
あの反応、もしかして童貞か?

「そこのナレーション、うるさいっ!」

耳まで顔真っ赤にされてツッコまれてもな〜・・・。
ほれほれ、読者にしか見えないこっちのことより、そっちの彼女はど〜すんだ?

「そ、そうだ!こんなところをご近所様に見られでもしたら・・・!」

童貞青年(笑)はあわてて上着を脱いで眠れる少女に着せることにした。
・・・強引な設定だとか言わないように。
上着を着せた啓太はこれからのことを考える。

救急車か警察を呼ぶ。・・・却下。下手をすればこっちが加害者と思われかねない。
見なかったことに・・・はできないよな。
と、なれば・・・。
啓太はため息を1つつくと、上着を着せた少女を自宅で休ませるべく、彼女を背負う。
この行為自体、とても危険な選択だが、濡れ衣着せられるのも嫌だし、このまま見殺しにもできない。
手のひらや服越しに伝わる女の感触に耐えつつ、啓太は自宅へと急いだ。

家に着いてからの啓太の行動は速かった。
まず傷だらけの少女を布団に寝かせると、その足でコンビニに向かい、包帯やら消毒液などの薬品を買ってきたのだ。

「ちょっとしみるけど、我慢しろよー・・・」

言い訳がましく言いながら、啓太は慣れない手つきで、少女の治療を始めた。

・・・さて、読者の諸君はこう思っていないだろうか。
『なぜ啓太は見ず知らずの女にここまでできるのか』と。
それは至極単純な理由からだった。

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