PiPi's World 投稿小説

ギアの花火
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 1
 3
の最後へ

ギアの花火 3

と、そこでヴェアード博士が「む?」と何かに気付いたように声を上げた。
「どうしました?」
俺が尋ねると、博士はコクピットを見上げながら答える。
「どうやら、起動するぞ」
「え?」
一瞬、何を言っているのか分からなかった。だがすぐにその意味を理解する。
見れば、〈十一番目の狩人〉の機体フレームに光の筋が走り、それが幾何学模様
のようになっていっているのだ。
「な、何が始まるんですか…?」
俺は不安になって尋ねたが、博士は特に慌てた様子もなく答える。
「さあ、分からん。だが少なくとも、悪い事ではないようだぞ?」
確かに、博士の言う通りだった。
徐々に機体にエネルギーが充填されていくのが分かる。それが何のためなのかは、俺には分からなかったけれど…。
やがて光の奔流がコックピッ卜内に収束すると、その光が俺に向かって降り注いだ。
「えっ!?」
驚くと同時に、俺の視界はホワイトアウトした。

気が付くと、俺は素っ裸になって機体の中にいた。当然目の前には、意識を失ったままの全裸の青年が漂っている。
屈強な男の裸体は、まるでギリシャ彫刻のように均整がとれていて美しい。
だが、今は見とれている場合ではないだろう。
「大丈夫か?」
俺が呼びかけると、彼はゆっくりと目を開いた。その瞳は深い緑色で、不思議な光を放っている。
その瞳が、俺の姿をとらえた。その途端、俺の中に何かが流れ込んでくるような奇妙な感覚を覚える。
コクピット内に光が溢れた。
青年の瞳は俺の股間に注がれている。
「え?」
俺は思わず自分の股間を見下ろし、そして絶句した。
俺の陰茎が勃起していたのだ。しかもそれは、明らかに彼の視線を受けて反応しているように見えたのだ。
──な、何で…?
俺は混乱していた。確かに、彼の裸体には非現実的な魅力があるが…まさかそれだけで勃起するわけはない。だが現に俺のものは固く反り返り、先端からは透明な蜜が流れ出ている。
──な、何なんだよこれ…!
俺は慌てて股間を隠そうとするが、身体が動かない。まるで金縛りにでも遭ったように動けないのだ。そうしている間にも、青年の視線は俺のペニスに注がれ続けている。
「すごい…」
やがて青年がポツリと呟いた。その声色にはどこか陶酔したような響きがある。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す