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開宴ブルー
官能リレー小説 - SF

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開宴ブルー 1

「機能停止を確認」
「こっちもだ。これで全部か?」
「あぁ、そうみたいだ」
周囲を見渡せば、敵機の残骸が無数に散らばっている。
さすがは特機科と言うべきか、敵機の数は多かったけどここまでの戦闘で全て撃破できた。
「生存者は?」
「俺たち三名だけです。他の隊員は・・。」
隊長に生存者の人数を聞かれた俺は答えた。つまり、俺と女性隊員と隊長だけだ。
「そうか。撤収する。」
「最近、出動が多いですよね。」
「それだけ、敵も本気を出してきたってことだろうな。」
隊長は機体から降りながら言う。
ここ一か月ほど、毎日のように出撃命令が出ている。しかも、どれもこれも今までとは比べものにならないくらい大規模な戦闘ばかりだ。
「そろそろ、この機体にもガタが来る頃かもしれんな」
隊長は自分の愛機ケートーデス2を眺めながら呟くように言った。
ケートーデス2は特機科のエースが乗るだけあってかなり高性能な機体らしい。けど、それでももう百年以上前の機体だから様々なダメージが蓄積されていていつ壊れてもおかしくないそうだ。
機体そのものの寿命が近いのか、それとも操縦者の技量についていけなくなったのか。どちらにしても、隊長はこの機体の限界を感じているようだ。
「次の作戦が終わったら、こいつの役目も終わりかもな」
いくら丈夫で設計が優秀でも百年以上も使いまわしていれば限界は来る。それは仕方がないことだ。むしろ、今日までよく頑張ってくれたと思う。
「まぁ、次の戦いが最後になるよう願うよ」
隊長の言葉を聞きながら俺は機体から降りる。
「お前は先に基地に戻っていろ。私は少し用事がある」
「了解です」
用事…?何だろうか。
俺には分からない。だが、妙に引っかかるものがある。こういう時の勘はよく当たるのだ。
「どうした?」
「いえ…」
聞いてみようかと思ったがやめた。これはきっと聞かない方がいいことだ。

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