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エリアアルファの騒動
官能リレー小説 - SF

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エリアアルファの騒動 2

ドランカクはニヤリと笑う。その表情を見て、思わず苦笑してしまった。
「おいおい、まさかそいつを横取りしようなんて考えてないよな?」
「へっ、馬鹿言え。俺はただ、どんなやつか興味があるだけだよ」
「ならいいけどね。俺としては、さっさと仕事を終わらせて帰りたいところなんだ。変なことに巻き込まれたくないんでね」
それを聞いたドランカクはまた大声で笑う。本当に大丈夫だろうか。不安になるぞ。
そんなことを話しているうちにエレベーターが減速を始めた。目的地が近いらしい。
「ほれ、もうすぐ到着だぜ」
「はいはい…。全く、こんなことになるとは思わなかったよ…」
もう一度ため息をついて、俺は気を引き締めた。
宇宙エレベーターから降りて少し歩くと、目的の場所が見えてきた。
辺り一面に広がる荒廃した街並み。あちこちに転がっている瓦礫やスクラップ。そこかしこに見える人影は、おそらく人間ではなく機械人形のものだろう。
ここは廃棄された都市だ。かつては繁栄を極めていたであろうそこは今となっては見る影もなく、退廃的な空気が漂っていた。
ドランカクが歩みを止めたので、俺も足を止める。すると、目の前の建物の中から数人の男たちが出てきた。
先頭にいる男はスキンヘッドで、口元に傷のある強面の男だ。後ろに控えているのは屈強そうな男ばかりで、明らかに堅気ではない雰囲気を放っている。
ドランカクも大柄だが、彼等も負けず劣らずの体格だ。下手に喧嘩を売るべきではない相手だということがよく分かる。
「おう、ご苦労だったな」
男がドランカクに声をかける。ドランカクは愛想良く答えているが、目つきは明らかに鋭い。
やがて会話が終わると、彼らはこちらに向き直った。
「で、これが例の荷物か。随分小さいじゃねえか」
男が言うと、ドランカクは大きくうなずく。

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