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俺の開拓物語
官能リレー小説 - SF

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俺の開拓物語 12

 俺は作業機に乗り込む。人型の有人作業ロボットで、重力制御ラインは船内の移送だけだから、船倉から降ろすのはこの機械での作業だ。
 「木星」から降ろした建材は、梱包したまま輸送車に載せる。家を建てる建材類を下ろしたから、次は工事車両を発進させる。杭打機や採掘車がAIで走っていく。
 その間に、さっき降ろした探査車にヒルデガルトが任務をセットして、発車させた。無人探査ができるから楽でいい。
 俺も作業機を輸送車に載せ、ヒルデガルトも一緒に乗りこみ工事車両の後を追う。

 車両や物資を集めた場所に着いた。
 土壌調査に、俺達が住む家の建設、車両や航空機の拠点にする基地をこれから建設して、農地なども切り拓いていく。もちろん一日二日で終わる話ではない。
 最初に俺達の家を建てる。土地は有り余ってるから、いずれ増築できるようなスペースを用意して、まずは俺達が暮らせる家を建てればいい。
 いつ子供ができてもいいように、数人で暮らせる大きさにする。
 夢いっぱいの俺の、いや俺とヒルデガルトの開拓生活が、始まったのだ。
 家の立体設計図を、ホログラムで投影する。建設機械達のAIにはもちろんこのデータが入ってるから、俺達が見て確認する為のものだ。
 バスン、バスンと杭打機の音がする。
 俺達の家を載せる土台として、地面深くに杭を打ち、しっかりとした岩盤まで通して建物を支える、昔ながらの工法だ。
 建物など重力制御で支えれば地震など何ほどの事もない…というのは、既に文明基盤が整った星の話だ。エネルギー供給が万全ではない、開拓星や軍の前線基地では、古いが確実なこの方法で建物を建てる。
これに限らず古い技術で代用出来る箇所は、安全であれば出来る限り古い技術の方を採用する。
何かあってもすぐに対応可能にするためにだ。いくら便利な物でも複雑すぎて修理が出来なかったり失われたパーツが手に入らないような事があればかなりの痛手となる。
 初期に植民した星では、テラフォーミングを行わざるを得ない時、当時の宇宙船は輸送力も低く、部品や補充人員の送り込みは困難を極め……結局失敗した星もあった。
 機械や部品は、工場機能を持った船を造って送り込み、そのまま現地でプラントとして使う事で何とかなるようにはなった。
 苛烈な環境で植民者一同が全滅するのを避けるために、一時期など男性も妊娠可能なように遺伝子を改造していた植民グループもあったくらいだ。
 そう言う事情もあって、バイオノイドは多くが生殖能力を持つ女性だ。

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