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俺の開拓物語
官能リレー小説 - SF

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俺の開拓物語 13

 いくらAIでロボットがいろいろな仕事をしてくれるといっても、種の保存という意味では人間自身が何もできないようでは、宇宙という大自然にいずれ潰される。
 そうでなければ、いずれ敵対的な異星人と遭遇して征服されるか。
 そんな事にならないよう、人間自身の努力と向上が大事。誰もがそう教えられて育つ。
 宇宙という新天地では、とにかく子孫を残さないと後が続かずやっていけない…人間社会自体がそもそも子孫の誕生を前提とした一種の自転車操業なのだから。
 そんな過酷な状況を乗り越えた先人たちの努力の上に、今の俺のような夢のある開拓ができる世の中がある。
 俺は順調に動く機械達から、ホログラムの家に視線を向けた。
 ホログラム上の完成予定画像を見ながら、ここで子供達がはしゃぐ光景を思い浮かべた。
 元気に駆け回る、俺達の子供達。一緒に遊んだり、叱ったり、成長を喜んだり。ヒルデガルトと一緒に、子供達の世話をして、育てていく……うん、その日々が楽しみだ。

 同時進行で、畑にする土地の工事も進めていく。
 近くの川は水質も問題なく、農業用としてならそのまま田畑に使えると検査済みだ。
 工事車両たちは、土中の微生物の検査……掘らないと見つからないものもいるから、作業しながらの検査となる。掘り出した土のサンプルが、深さなどで分けられて検査車へ移される。
 とりあえず、今のところは危険すぎる微生物は見つかっていないようだ。
 慎重に検査しつつ、ゆっくりと工事が進む。
 昔の地球で、当時の発展途上国支援に井戸を掘って、水が出て住民生活が改善されたと思ったら、その地域の地下には砒素が含まれてて、住民が水にしみ出してきた砒素で健康を害したなんて悲しい事例もあったって開拓者講習で習った。
 同じく、何が出てくるかわからないこういう新しい星ではくれぐれも気を付けないと。
 農地の作業をしていたヒルデガルトに、声をかけた。

「ヒルデガルト、農地だが……お前は何を植えたい?好きな物を言ってくれ」
「植えたい物……ですか?
そうですね……じゃがいもに、パセリに、水田ができたらお米もいいですね。マスターはお米を食べて育ったのでしたね」
「そうだ。お米か…それにじゃがいもにパセリか。ありがとう」

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