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荒れた星の戦士
官能リレー小説 - SF

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荒れた星の戦士 23

オルトンは自分の代わりに誰かがあの中に入って、【淫らな黒い悪魔】のシステムを完成させてくれないかと考えていた。
そんなオルトンを見て芹菜は苦笑する。
芹菜はオルトンの考えを見抜いているようだ。
「代わりになる男を調達したい、そういうことやね?」
「ああ。男なら誰でもいいわけじゃない。出来るだけ強い男じゃないとダメだ。そして、あの海賊達のように性欲を溜め込んでいるような男が望ましい」
「難しい注文やね。けど、心当たりがあるわ。ここからトゥエルブ星方向に向かえば治安の悪い宙域にぶつかる。そこで救難信号を出しながらこれみよがしに蛇行すれば…」
「おあつらえ向きの獲物が引っ掛かるって訳か。さすが芹菜だぜ!」
「こういう分野は任せとき!」
芹菜は自信満々の笑顔を見せた。
「そうと決まれば早速準備に取り掛からないとな」
二人はアリック達が艦内に居るとは気づきもせずに操舵室に向かった。レッドドラゴンが、連結した海賊船ごとトゥエルブ方面に進路変更したのはそれから数分後の事だった。
偽装のために艦内の照明の半分を消し、
救難信号を発信しながらゆっくりと航行するレッドドラゴン号。流石にアリック達も異変に気づいた。
「なんだ?急に暗くなって…それに突然進行方向が変わったぞ?」
「海賊達は全員捕縛された筈です。彼等が何かしたとは思えませんが、警戒しておいた方がいいでしょう」
ヒルダはそう言うと、コンテナから取り出した試作型レーザーライフルを構えた。威力がありすぎるのでこのタイプの武器は艦内では使用しないのだが、威嚇には使える。
「ヒルダちゃん、船内で発砲するのはちょっとまずいんじゃ…」
マリアが言う。
「大丈夫ですよ。かなり出力を落としてあります」
ヒルダはそう言って微笑む。相手の出方次第では躊躇なく撃つつもりのようだ。
「とにかく確認しよう。何らかの理由でこの船が航行不能になったのかも知れない、もしそうなら…」
アリックが言い終わる前に、突然船が揺れた。
「うおっ!な、何だぁっ!」
「きゃあっ!」
全員が慌ててシートや手すりにしがみつく。
その直後、再び衝撃。今度は更に大きい。
レッドドラゴン号と海賊船は完全に包囲されており、四方八方から侵入されつつあった。無人の遭難船だと思い込んでいる彼等は遠慮なしに流れ込んでくる。
彼等も海賊だった。
この船を襲った奴等とは別の組織である「ドーザズ団」なのだが、装備の粗末さは似たようなものだ。恐らくは略奪品で揃えているのだろう。
誘い込まれたとも知らずにドーザズ団は続々と押し寄せてくる。
「へへ、ラッキーだぜ。まさかこんな上玉の難破船を拾えるなんてな」
「おいお前ら、壊すなよ。高く売れるんだからな」
男達は下卑た笑いを浮かべて船内を探索し始める。
アリック達の居るところにも何人か入り込んできたが、粗末な装備しか持たない彼等がアリック達に敵うはずもなく一瞬で制圧される事になった。
気絶した男達を素っ裸にひん剥いて縛り上げ、アリックは溜息をつく。
「まったく、面倒なことになってしまった…」
アリック達が捕まえた奴等はごく一部に過ぎない。かなりの人数が船の中に入り込んでいる。

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