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異世界の獣人たち
官能リレー小説 - SF

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異世界の獣人たち 5

フィアナは目の前の階段を指して言う。彼女は近くにある木の実を数個もぎ取り、木の実に何やら呪文の様な言葉を吹き掛ける。
それを得体の知れない生物目掛けて投げ付ける。
「新一伏せて!」
言われる通りに伏せた瞬間ー。

ボンッ、グシャァッ!

得体の知れない生物は、一瞬にして散った。
更にフィアナは、残りの数匹に向かって木の実を投げ付けて生物を退治する。
「凄い技を持っているのだね」
新一は驚きながら言う。
「両手が塞がって居なければ、先程もこの攻撃が使えたのよ」
得体の知れない生物が居なくなり、ひと段落するとフィアナは新一を連れて階段を上って行く。
しばらく階段を上って行くと、先程訪れた場所と似た様な感じの大きな門が見えて来た。門の周辺は何処までも続いてる巨大な壁が連なっていた。壁を見ると大分年季が経過しているのが伺える。コケや草木の蔓…周辺に生い茂る木々等を見る限り、軽く数十年以上が経過しているだろうと…新一は考えた。
フィアナは門を叩くと、近くの木の窓が開き門番が顔を出した。
新一は門番の男性を見ると、彼もまたネコミミがあった。
「オウ…何だフィアナか、随分遅い帰りだったな…」
「ちょっと…暴草に襲われちゃって、何とか助かったのよ。申し訳ないけど開けてくれるかしら…?」
「それは大変だったな…無事に戻れて良かった」
「ええ…まあ…」
「今開けるから待ってくれ」
門番が窓からいなくなり、しばらくして目の前の門が音を立てながら開き始める。
ゴゴゴ…
大きな扉が開くと2人は門を潜る。分厚い扉の中を新一が通る時…門番が新一を見て声を掛ける。
「ちょっと、そこの異国の衣装を纏った方…通行許可証は、お持ちかな?」
「え…有りませんが…」
「じゃあ…ここを通す訳にはいかないな、今直ぐに帰って貰おうか」
そう言って門番の男性が槍を持って近付く。
「やめて、彼はウチの恋人なのよ!」
それを聞いた門番が目を丸くしてフィアナを見る。
「ほ…本当に?」
「ええ…本当よ」
そう言ってフィアナは新一の腕を掴む。
「彼がウチの尾を触った感触が、ウチを無心にさせてしまう程の物だったのよ。だから彼はウチと一緒にこの村で暮らすのよ」
フィアナは、新一を側に寄せて顔を彼の肩に乗せる。
「し…信じられない、まさか異国の者が貴女の恋人になるなんて…」
門番は少し呆れた声で言う。
「フフ…もう彼とウチの心は繋がっているのよ」
そう言いながらフィアナは、自分の家に新一を連れて行く。
家に向かう途中、新一は周囲を見渡した。村人達は皆…フィアナや門番と同じ格好で頭に猫耳で尻尾が生えている。
村人達は皆、新一を見ていた。
「皆…同じ仲間なんだね」
「そうよ、ここの村人は全員ウチと同じ姿なのよ」
「この世界で違う姿の人とかはいるの?」
「ええ…勿論居るわ、テルト族と言われる種族とビオラス族と言われる種族に、アルティム族が…この大陸に居るわ。彼等は皆…容姿が違うわ」
「その、他の種族の姿が見えないようだが…」
「変な異生物が大量発生してからはあまり出歩かなくなったわ…昨日も村の若い男達が帰ってきていないと発覚したの」
「その男もあの蔓みたいなのに捕まったのだろうか?」

「わからないわ…、ただ行方不明事件はあちこちの集落で起こっているみたい」
竜神は先程の尻尾を扱きあげ、女性器に差し込まれる蔓を思い出して妙な気持ちになった。尻尾を愛撫されてああなるのであれば、屈強な若い猫耳戦士でもああなってしまうのではないかと。
その後、彼らはどうなってしまうのか…。

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