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宝石天使
官能リレー小説 - SF

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宝石天使 3

宝石天使と言えど学生である彼女達の日常は基本的には普通の学生とさほど変わらない。
知識を深め、体を鍛え、技を磨く。
ただその中に宝石天使で在り続ける為の性行為が含まれているだけだった。

彼女達が相手にする宝石獣は宝石武防を用いないと有効打を与えられない、だが宝石武防は妊娠状態でしかその力を発揮出来ず常に妊娠していなければならないのだ。
しかし激しい運動により胎児が流れてしまう事が稀に起こってしまう。
通常は宝石武防の発するエネルギーフィールドにより胎児は保護されているのだが、何らかな外的要因によりフィールドが弱まりそこに強い刺激が加わると、普通の妊婦の様に流産てしまうのだ。
胎児を失った宝石天使は宝石天使でいられない。
力を失いただの無力な女になる。
あとは無残に殺されるのを待つだけだ。
それ故に不測の事態から速やかに戦線復帰を行える様に彼女達は常に新鮮な精液を子宮内にストックしてる。
妊娠し胎児を育てながらその横でいつでも次の子供を孕める様に準備をしているのだ。
彼女達の奇妙な共同生活が始まって1ヶ月が経過した。
最初は戸惑いながらも仲良くやっていけるかと思っていたものの、次第にお互いの生活習慣の違いにより些細な衝突が起き始めていた。
このような非人道的な扱いをしていれば大きな歪みが生じる。
それでもなお、彼女達は「自分達が家族である」という強固な信念の元、この共同生活を続けていた。
しかし、彼女達の仲がますます悪くなってく一方だった。接し方が変わり、お互いを避けるようになっている。
「私達は家族なのだから、仲良くしなければならない」という気持ちが強くなっていくほどに彼女達の関係は冷え切っていく。
それは、もう修復不可能なところまで来ていた。
ある日の朝、彼女達は言い争いを始めた。
「最近、私達を邪魔者扱いしているよな」
「私達は家族なのに、どうして協調しないんだよ!」
激しい口論の末、彼女達はお互いに背を向けた。そして、それぞれの部屋に閉じこもったのである。
個室の中は重苦しい空気に包まれ、互いの存在がますます遠く感じられる。彼女達は一緒にいることで幸せを感じていたはずだったが、いつの間にかその幸せは影に消えてしまった。

その日から、彼女達の共同生活は終わった。誰もが自分の意見を押し付けることなく、それぞれが自由に行動するようになった。しかし、その自由が彼女達の心に寂しさをもたらしていた。


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