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かえして
官能リレー小説 - SF

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かえして 2


神隠しの真相はこれである。

日本に住む若い女性達を、無作為に拉致し、『Monster』を産ませる為の被験者を集めたのだ。

しかしここでまた問題に直面することになる。

『Monster』の精液からを孕むことは出来たものの、ごく一部の被験者を除いて、皆無事に出産することが出来ずに絶命してしまった。

『Monster』を無事に出産することができたのは、出産の経験のある風俗嬢だけだった。

日本の研究は大いに進んだ。

驚くべきことに、出産経験があり、常日頃性行為に慣れている者は、『Monster』を出産しても無事。
産まれたハーフの『Monster』も、人間性があり、数々のコミュニケーションを通して、戦力へと投入された。

『Monster』を殺せる唯一の戦力が誕生したと、各国から大きな賞賛を得られた、そのような頃の話。


ーー

わたしは。

村崎香織。

大学を卒業して、晴れて社会人生活を始めた。

会社の入社式の帰り、同期の真田麻奈美と居酒屋で飲んだ帰り道に、


わたしの人生がおわった。





ーー

「やははは。まさか社会人一日目でこんな気が合うのに出会うなんて思ってもなかったな〜!」

私の隣で楽しそうに笑う真田麻奈美。
お酒飲んでた時の余韻が続いてるらしい。

陽気で活発。それが、私が真田に対して率直に沸いた第一印象だった。

「ーーでさでさ、入社式のアレ見た〜?社長さんのあの丸ハゲ。言っちゃなんだけどさぁ、あんな頭になる男とは付き合いたくないよね〜。ねね、香織もそう思わない?」

「それはそうかも。でも、意外とカツラとか被ったら、気にならないんじゃない?」

「え〜、そうかなー」

とか社長さんのフォローをしつつ、結構私も真田の意見に同意してたり。

カツラ被っても、正直付き合うとしたら私だって御免被るだろうから。

「あんの横に立ってた副社長?ヤセ男で仕事出来そうなイメージあるけど、私のタイプじゃあ、ないのよね〜。ひっく。なんつーの?もっとこう、身体が引き締まってる感じのが良いわけよ。」

「なるほどねぇ。麻奈美はマッチョが好きと。ボディービルダーに惹かれるのね?」

麻奈美はんーと首を振った。

「いや〜、正直そこまではなくても良いかなー?そっち行くと、なんかBLとかさぁ、違う世界に迷い込んじゃいそうだし〜。あはははは。ちょっと筋肉質寄りな男が良いな〜」

「そっかー、私もわりとそうかも。でも付き合うなら年下が良いな。こっちの言うことほいほい聞いてくれそうだし。」

「およ?香織ん、チミは腹黒かね?」

麻奈美が何だか悪徳のお代官様のような顔になった。

「多分お互い似たようなもんでしょ」

「そ〜ねー。これから宜しくぅ。香織!」

心底楽しそうな麻奈美を見た。


その視線の横に。奥に、何かが、居た。

見なければよかった。

あの道さえ通らなければ。

そうすれぱ、どんなに良かったか。



藪の中から覗く赤い光を、みた。

「真奈美ー、あれ、なんだろう」

その場に立ち止まると、段々その光が大きくなる。

目、だった。

目玉。

血管が浮き出ている眼球が、私を凝視した。

「…ひッ」

その刹那。

宙に浮く不気味な眼球から、酷く鋭利な刃物が、出てきた。現れた、といった方が正しいかもしれない。

「香織ぃ?あれって〜…ぁ」

「まなッ」

逃げよう。

そう口にするよりも早く、不気味な眼球からの刃物が、真奈美の顔を貫いていた。

「あ……あ…」

真奈美の顔を貫いた刃物は、役目を果たしたかのように、金属音を奏でて落下した。

腰を抜かせてしまった私は、ただ逃げることすら出来ずに、眼球の形をした化け物から目を離せなくなっていた。


「…あ」

声がでない。


「さて。選択肢を与えよう。我らの苗床となるか、そこの女と同じようになりたいか。」


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