PiPi's World 投稿小説

かえして-投稿-


藪の中から覗く赤い光を、みた。

「真奈美ー、あれ、なんだろう」

その場に立ち止まると、段々その光が大きくなる。

目、だった。

目玉。

血管が浮き出ている眼球が、私を凝視した。

「…ひッ」

その刹那。

宙に浮く不気味な眼球から、酷く鋭利な刃物が、出てきた。現れた、といった方が正しいかもしれない。

「香織ぃ?あれって〜…ぁ」

「まなッ」

逃げよう。

そう口にするよりも早く、不気味な眼球からの刃物が、真奈美の顔を貫いていた。

「あ……あ…」

真奈美の顔を貫いた刃物は、役目を果たしたかのように、金属音を奏でて落下した。

腰を抜かせてしまった私は、ただ逃げることすら出来ずに、眼球の形をした化け物から目を離せなくなっていた。


「…あ」

声がでない。


「さて。選択肢を与えよう。我らの苗床となるか、そこの女と同じようになりたいか。」

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