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キモデブ洗脳戦艦
官能リレー小説 - SF

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キモデブ洗脳戦艦 1

 昔々、ある所に一つの宇宙船がありました。
 その宇宙船はとある国の秘密工作船で、たくさんの人達を自らの国の為に洗脳する船でした。
 ただその船は優秀すぎました。
 国の首相を洗脳すれば、宇宙に無数のファンを抱えるアイドルを洗脳すれば、膨大な財力を持つ資産家を洗脳すれば、大抵のことは思うようになったのです。
 船の船員達は、やがて国の命令を無視するようになったのです。
 思うがままに洗脳によって悦楽を求めていく船の船員たちは、やがて船を自分のものにしようと殺し合いを始めました。
 殺し合いは最後の一人まで続きました。
 なぜなら、相手がどんな洗脳をされているかさえ、わからなかったからです。
 もし、仲間として迎え入れても誰かの洗脳によって裏切られる可能性があったからです。
 そして、最後の一人が船を手に入れようとして、自らの頭を銃によって吹き飛ばしました。
 彼が洗脳され指示されていたメッセージは『洗脳した相手を勝たせる、もしくは自分が勝った場合は自殺』でした。
その後、宇宙警察によって拿捕された船は、表だって工作されていた一般宇宙船の中の謎の大量殺人事件という一時新聞をにぎわかせ、そして消えていく事件の参考資料として警察の奥深くで眠りつきました。
 
 物語はその十年後、一人の無能な、そして強欲なキモデブから始まります。

 『洗脳戦艦 エピソード1 キモデブの復讐』
 
 「腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ腹立つ」

 宇宙警察の惑星エルデ支所の廊下を、かなり太った男が突き出た腹をゆさゆさと揺らしながら、歩いていた。
 彼の名前は『マジデ・ヤンナルーネ』年齢は23歳、とは思えないほど老けた顔の青年だった。
 マジデが怒っているのは一つ。
 路上駐禁で取られた罰金が思った以上に高く、そして愛車が奥の格納庫にあるため、取りに行くのに手間がかかるからだ。
 むろん、ここまで怒っているのに彼の精神の矮小さが一役買っているのも否定はできない。


「たかが駐禁で20万ってぼったくりすぎなんだよ、ぼっけーが」

 苛立ちながらマジデが廊下を歩き、愛車が置かれている倉庫へとたどり着く。そこでは数人の警察たちが何かやっていた。マジデは興味がなかったが、沢山の車や道具が置かれている倉庫では愛車がわかりづらく、仕方なく警察の人へと話しかける。

 「すいません、ちょっといいですか?」
 「はい、なんでしょう?」
 「この前駐禁で捕まった俺の愛車どこにあるんでしょうか?」
 「え?」

 警察が目を丸くし、「ちょっと待ってくださいね」といった後、向こう側の数人と話し合う。
 その対応に少し嫌な予感がした。そして数十秒まった後、警察官が走ってくる。

 「こっちです」
(おせーよ。税金泥棒のくせに)

ちなみにマジデは無職のニートだった。支払ったことがあるのはせいぜい消費税ぐらいだ。
そして、マジデが取られた車がある場所の隣で、オークションが行われてるのを見た。

「あれはたしか……」

警察は拾得物がわからないもの、誰のものかわからないものを長い年月持つと処分していい権限を持っている。
ただ処分するのはもったいないのが、欲しい方があるときのようにオークションを行われているのだ。
無論、違法物はないのだけど……。

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