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パラレルワールド
官能リレー小説 - SF

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パラレルワールド 9


 「なんか、女の人ばっかり歩いているみたいだ」
 「…うん、これはそろそろ説明しないといけない」
 さやかちゃんはまっすぐ僕を見た。
 「この世界…きのう学校を出てからこの病院に来るまでの間に転移したこの世界…は、男性が生まれなくなって、もう30年に、なるの」
 僕は箸を止めた。
 「男が、生まれない、世界?」
 確かに、この病院に来てから、女の人ばかりみかけたような気がする…でも…
 「そう。だから、昨日の夜にちょっと言った夏奈さんの演技っていうのは、本当は夏奈さんにはお兄さんはいない。いたのは、この世界における春くんの同時存在、鈴村春香さん」 
「自分が女なんて想像できない」
さやかちゃんが少し笑ってから話し続ける
「たぶん、夏奈さんが春君を呼んだのよ。お姉さんより優しいがお兄さん欲しいって。」
「・・・」
「もし春君が来てくれたら付きっ切りで私が面倒みるって。」
 夏奈…違う世界の夏奈とは言っても、きのうの夏奈はそんなことまったく感じさせないくらいに記憶どおりだった。その夏奈が面倒を見てくれる…何かもぞもぞするような感覚だ。
 でも、ここでは、夏奈以外の僕の知っている人はどうなっているのだろう?昭雄のように、男の友達は女なのだろうか…でも、もっと気になるのは…
 「その、僕の同時存在の春香さん、ってどこにいるの?」
 「春くんの世界に行ってる」
「へぇ、そうなんだ。」
「たぶん、伊藤先生は春君の性欲の強さがどのくらいか知りたいのよ。」
朝ご飯を食べ終わると伊藤先生とナースが来た。伊藤先生と一緒にいるナースも美人だ。
改めて伊藤先生をじっと見る。モデルみたいに身長が高くおっぱいも大きい。
「気分はどう?」
「まあ、そこそこいいです。」
「それじゃあ、検査を始めてもいい?」
「私もいっしょに行ってもいいですか?ここで待ってるのも退屈だし。」
さやかちゃんは僕を心配してついてきてくれるようだ。
「別にいいわよ。」
4人で検査室に行く。
 「鈴村君には、パラレルワールドから来てもらったことは、伝わっているね」
 伊藤先生は、僕たちを監視していたからそう言うのだろうか?伊藤先生はこちらの反応を待たずに続ける。
 「これから、この世界と君の世界の違うところを見てもらって、反応を調べるよ」
 ナースがディスプレイを操作している。
 「射精したくなったら、恥ずかしがらずに言って。貴重な精子、生かさせてもらうわ」

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