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ハーレム宇宙戦艦
官能リレー小説 - SF

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ハーレム宇宙戦艦 2


そんな事を考えている間に艦長室の前に着いた。
中佐はドアを軽くノックして言う。
「失礼いたします!副長のカワサキです。新任の少尉を連れて参りました」
すると部屋の中から「どうぞ」という声が聞こえ、二人はドアを開けて艦長室へと入った。

驚いた事に艦長は若い女性だった。カナメは敬礼して申告した。
「ほ…本日付けで戦艦リリウムに配属されました、カナメ・ヤマモト少尉です!」
「あなたがヤマモト少尉ね。私は戦艦リリウム艦長、クリス・ライオネット大佐よ。よろしくね」
艦長は見たところ20代末〜30代前半といった感じ、おっとりとした口調に落ち着いた雰囲気…軍人というよりは“育ちの良い若奥さん”といった感じの美人である。
しかし、軍服の上からでも判るナイスバディ…特にその胸元に揺れるメロンのような爆乳は垂涎モノであり、カナメは意識しまいと努めるものの、男として思わず目が行ってしまうのであった。
そんなカナメに艦長は微笑みながら言った。
「ウフフ…ヤマモト少尉、あまり人の身体をジロジロと見るのは良くないわね。見られる方は意外と分かるものよ」
「も…申し訳ありません!!」
慌てて謝るカナメにクリスは柔和な微笑みを崩さず「うんうん」と頷く。そして尋ねた。
「ところでその制服、良く似合ってるけど……どうしたの?」
「え……」
この質問にカナメは、この女艦長が自分の正体を見破っている事を悟った。となれば自分としては正直に弁解するのみた。
「…いやぁ、実はここに来る途中で中佐殿に服装を見咎められまして…弁解の余地も無いまま…」
「あらまあ、それは災難だったわねぇ…ウフフ」
「…???」
この二人の会話に付いていけない中佐は頭の中が?でいっぱい。
「あ…あのぉ、艦長殿…?話がいまいち良く見えないのですが…」
「あぁ、そうね。はい、これ」
と言って艦長は机の引き出しから一枚のクリアファイルを取り出して中佐に手渡した。中佐は中の書類をジッと見ていたが、その表情は見る間に驚愕の物へと変わった。
「……えぇ?……えぇぇ〜〜っ!!!?」
やがて彼女は信じられないといった顔で叫ぶと、改めてカナメを見て顔を真っ赤にして怒鳴った。
「き…きき…貴様ぁ〜!!!なぜ言わなかったぁ〜!!?」
突き付けられた書類を見たら顔写真入りの履歴書だった。どう見ても少女にしか見えない写真のすぐ横には彼の姓名と生年月日、そして性別がハッキリと明記されている。
「い…言おうとはしましたよ。でも言わせてくれなかったじゃないですかぁ…」
「お…男だとぉ!?男ぉ!!こんな男がいてたまるか!?あぁぁ〜っ!!!勤務中に異性を自室に入れてしまったぁ〜!!服務規定違反だぁ〜!!始末書モノだぁ〜!!」
中佐は叫びながら頭をグシャグシャとかきむしる。艦長はカナメにウィンクしながら言った。
「凄いわ。マリちゃんのお部屋に入った男性は後にも先にも君だけよ。やったね♪」
「はあ…」
それは凄い事なのだろうか…?
てゆうか“マリちゃん”っていうのは…
カナメは中佐を見た。
「艦長ぉ!!部下の前でファーストネームに“ちゃん”付けで呼ばないでくださいっていつも言っているじゃないですかぁ〜!!」
“マリちゃん”こと副長マリ・カワサキ中佐は涙目で艦長クリス・ライオネット大佐に訴えかける。
「それよりもまずはカナメちゃんの処遇よねぇ…」
(カ…カナメちゃん…!?)
中佐の涙ながらの訴えを軽く受け流した艦長はカナメの処遇を検討し始める。
「あ、あのぉ…僕、どうなるんでしょうか…?まさか…クビとか…?」
恐る恐る尋ねるカナメ。中佐が肩を落としながら言った。
「ハァ…安心しろ。貴様は何も失態を犯してないし、これは恐らく人事側のミスだろうからな。解雇は有り得ん。まあ、新しい配属先が決まるまでは予備役扱いだろう」
「ほ…本当ですか!?あぁ〜、良かったぁ…」
中佐からクビではなく予備役扱いと聞き、カナメはホッと一安心する。そこで艦長がポンッと手を叩いて言った。
「よし、決めたわ。カナメ・ヤマモト少尉、あなたにはこのまま戦艦リリウム勤務を命じます♪」
「……は?」
「か…艦長!?何を言っておられるのですか!?」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、このまま女の子としてこの艦(フネ)に居てもらおうって言ってるのよ♪」
「「えええぇぇ〜〜〜っ!!!?」」
カナメと副長の叫び声がハモる。
「か…艦長!このリリウムは…!」
何か言おうとする副長の言葉を艦長は人差し指で制し、一転して真面目な顔で言った。
「副長、この件に関しては今後、私の許可が無い限り艦の内外を問わず口外する事を禁じます」
「はあ、しかし艦長…」
「わ か っ た ?」
なおも何か言おうとする副長。艦長はその顔をジッと見つめて再度念押しするように尋ねた。
「は…はい!承伏いたしました!」
すると副長はバネ仕掛けの人形のようにビシッと背筋を伸ばして了解の返事をした。これを見た艦長は再び笑顔に戻って言う。
「うふふ…決まりね♪じゃあマリちゃん、通常業務に戻って良いわよ」
「はあ、では失礼いたします…」
すごすごと艦長室を後にする副長の背を見送りながらカナメは思う。
(カワサキさんて苦労多そうだなぁ…)

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