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宇宙人ハーフの転校生
官能リレー小説 - SF

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宇宙人ハーフの転校生 3

その放課後。二人と一緒に手を繋いで家に帰ることになった。
「なんかトントン拍子過ぎて、現実味がないな」
「ウェルストン星の威光は全世界に轟いています。先進国には純粋水爆と運動エネルギー爆撃、途上国には使い放題の電源とどんな土壌でも育つ穀物、大国は恐れを抱き、貧しい国からは尊敬を勝ち取っています。
地球にウェルストン星と正面切って対立する勢力は存在しません。それに、パワーバランスも変わってから国連加盟国の半数からは支持されています。心配は無用です」
「あたいらの星のお陰で世界は良い方向に向かってる。地球から戦争も環境問題も食糧危機も根絶できるチャンスを得た。
この国がその恩恵に預かれるかは夫婦仲も影響するぜ」
「安心させたいつもりだけど、結婚というのは本人だけでなく親の同意も…」

勇樹はウェルストン星と国連との条約締結の裏話を聞かされる。
ウェルストン星がアメとムチで地球上のあらゆる国を手玉に取っていると二人は明かした。
それとなく華奈美にプレッシャーも与えられると、話の分かりそうな真奈美に結婚に関する一般論を説こうとする。

「お母様の了解は得ております。若くてキレイになりたいとおっしゃったので叶えて差し上げました。
経済的にも株の配当という形で安定した生活が可能です」
「じゃあ夫婦の新居は?」
「元の場所です。家を少し大きくしました。もう完成してるはずです」
「一日で?」
「はい」
「二階じゃ狭いから五階建てだ。一人で一階というのは日本の住宅事情ではいい方らしいし。
地下は発電と栽培のスペースになってる」

充分すぎる援助は早い結婚に対して母親からの不満は払拭されているし、二人も美少女なので勇樹に損な要素はないように見える。
2階建ての自宅がたった一日で5階建てになっても結婚と同様に特例的に許可されたのだろうと実際に見る前から感じていた。
「で、おれは何をするの?旦那だし、働かなきゃいけないか?名誉友好大使とか?」
「特に仕事はないです。高校生のままでかまいません」
「しいて言えば、これから変わりゆく時代を夫婦という立場で見つめること…かな。地球人の血を引くあたいらは里帰りと社会生活が可能かって盛大な実験にもなる」
「円満な夫婦生活をしていると示すことで、融和を体現するのです。
個人単位でも友好が進めば、ウェルストン星と地球の為になります」
「夫婦というなら、新婚旅行もするの?」
「一応地球の習慣らしいですから」
「コロニーや月の裏側もいいな。軌道エレベーターもあたいらの星の技術で作られてる」

5階建てになった家を実際に目にすると、高さ以外は思ったより違和感はなく、
増築部分の見た目は従来部分と同じ色や材質にみえてもウェルストン星のテクノロジーによるものと思われた。
新築より複雑で面倒な施工が異例の速さと周到さで終えたことは勇樹だけでなく地域社会も驚かせていた。
「式もするのかな?こっちからの出席者は少ないんだ。片親だし」
「こだわる気はありません。入籍が最も重要だそうなので」
「こっちでは新婦が二人というのは、ややこしいそうだな」
「もう既成事実化されちゃったしな」

勇樹は家に入ると二人に促されて新しく出来たエレベーターに乗る。
設計や構造のレベルから地球のものと違うようで、文字通りヒョイという感じで二階につくと自分の部屋に行く。

「どうして付いてくる?」
「「初夜についてお話が」」
「いきなり3Pは勘弁してくれないか。それと、今日はいろいろありすぎて無理」
「今日はささやかなパーティーです。姉妹同時が嫌でしたら、まずはお望みの方と一対一で」
「分かってくれてうれしいよ。まずは、真奈美からでいいよね?」
「はい」
「もちろんです」

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