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改造実験〜堕ちる女達〜
官能リレー小説 - SF

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改造実験〜堕ちる女達〜 2

最早助けを求めることも叶わずクラゲのようにプカプカと浮かぶだけ…そんな私に呼びかけるように声が聞こえる。


「洗脳改造をはじめるとしよう…君の名前は何だね?」

「私…の…名前は…あき…秋本…由奈……24歳…OLで…勤務先は…あぁっ…気持ちいいっ…何?これ…おぉっ…おぉっ、んんっ♪…」

叫びすぎたためかかれた声で何とか質問に答えるが、その私のうつろな意識は次第に、脳から響くように与えられる、甘い快楽に支配され…自分の名前すら、次第に意識から消え去っていく。 

「わからな…い…私は誰…私…は…」

「洗脳率50パーセントか…君の名前はスパイダー…今日からスパイダーと名乗ってもらう、君はこの組織、ジョーカーのために忠誠を誓い、偉大なるクイーンに仕える怪人として生きてもらおう…なあに、心配はいらないさ、ジョーカーは世界に平和と秩序をもたらす組織…その一員、柱となれるのは幸せな事なんだ…さあ、君の名前はなんだい?」

ジョーカー、クイーン、そして世界の平和と秩序…何よりも甘美に聞こえる言葉が頭に染み込んでいき
、その代わりに…私が生きてきた証が、二度と引き上げられないような暗闇に、深く深く沈んでいく。
「私は…スパイダー…スパイダー、私はジョーカーの指揮官、怪人として、ジョーカーを守る盾となり、害なすものを排除する矛になるもの…」

「よろしい…これから君には怪人スパイダーとして、組織とクイーンのために生きてもらおう、構わないな?」

「はい、全ては平和と秩序…ジョーカーの理想のままに」

新しく染み込んでいく記憶が、私に新たな喜びを与え、その名を口にする度に快感が走り…そして遂に、肉体が変わり始めていく。 

「あぁっ…♪あぁ〜〜っ!!」

喉からは甘い声が漏れ出す中で、メキメキと音を立てて肉体自体が変質し始めていく。 

肌は青く、口からは牙が生え、次第に額からも目が生え、肩や腋からは新しく腕が生え、それに併せて長い爪が伸び始めていき…遂には尾てい骨の辺りから、ぬちゃりと粘液を垂らす糸壺までが現れ…この肉体を使えば、もっともっと、クイーンのお役に立てる…そんな想いに涙を流し始め、嬉しくなっていく…私の肉体はもう、偉大なるクイーンのもの…。 



「洗脳率100パーセント。スパイダーの人格、および形態の生成が完了しました。」
「ほう...これほどの適性を見せる素体は久しぶりだな。カプセルにDNA定着剤を注入。人格と形態の安定化が確認されるまでカプセル内で培養。」

「(...私...は、スパ...)」
偉大なるクイーンの忠実な僕として、新たな力を授かった事に喜びを感じながら、由奈だったモノは静かに眠りにつく。


「しかし怪人の数やバリエーションについてはまだまだ足りないな…ジョーカーが世界に平和と秩序をもたらすにはまだまだ怪人が必要だ、特に大規模な作戦を遂行するためにはな…」

「多少性能は劣化しますがスパイダーのクローン生成も考えましょう、何にせよ世界の夜明けは誓い…そのためにもまず、頭数はそろえなくては行けませんが…」

口々に勝手なことを言う研究者達の言葉も、次第に人間から自信が人間だったもの…すなわち人が恐れる「怪人」になったことも、もはや由奈の耳には届かない。 

(由奈って誰だろう…私はスパイダーなのに…)

暗闇に消え去った意識を取り戻した時、かつて由奈だったものはそう考え、身体を丸めぷかぷかと改造液の中に浮いていたが、液体がカプセルの中から抜かれると同時に由奈は…いや、私は研究員や係の者に迎えられ、カプセルから這いだした。

「時間だスパイダー、これからお前はクイーンの元に挨拶に向かわなくてはいけない、くれぐれも失礼のないようにな」

「解っているわ、私を舐めないで頂戴…きっと忠誠心はあなた達より上の筈よ?」


「やれやれ、口が減らないようだな…まあいい、それを着てこちらに来るんだ。」

研究員達はあきれた様子でそう話しかけた、何と失礼な奴らなんだろう、私の方が地位は上なのに…私はそう考えながらも怒りを堪え、係である戦闘員達に促されながら白色のローブを纏い、ありの巣のように張り巡らされた基地の地下へと向かった。 

「ヒーッ!!」

短い音声で係…戦闘員がここがクイーンの玉座だと伝えてくる、彼らは私のようにうまく怪人の因子を肉体に定着させられなかった…いわば個性である知識も力もないような惨めな存在だが、それでも立場は親衛隊だ、私は頭を下げ、かさかさといくつもの腕を折りたたみ、跪いてクイーンのそばに歩み寄る。

「お会いできて光栄です、クイーン…私の命は貴女のために、私の心は貴女のために…この身体、捧げさせていただきます」


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