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エイリアンの侵略
官能リレー小説 - SF

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エイリアンの侵略 5

しかし、その言葉とは裏腹に本部のステーションは一向に見えてこない。
「ねぇ、おかしいとは思わない?いくらなんでもこんなに時間が掛かるなんて…」
「確かに妙ね。計器の故障かしら?」
「いえ、それはありえないと思うわ。最新の設備で点検したばかりなのよ…」
冴子とジェシカの会話を聞いていた藍沢周香が聞いた。
「どういう事なんです?」
「つまりね、普通ならもう着いてもいい頃なのに全然見えないのよ」
「確かにそう言えばレーダーにも映りませんよね…」
「う〜ん、どうしようかしら…」
「このまま進むしかないんじゃないですか?」
「それもそうなんだけど、やっぱり少し気になるのよね…」
冴子は考え込んだ様子だったが、結局そのまま航行する事にした。
それからしばらく進んだがやはり本部ステーションは影も形もなかった。
「破壊されたのなら爆発が起こるはずだけど…破片すら無いって事はやっぱり故障なのかしら?」
冴子の言葉に周香が答える。
「もしかして、ステーションが高速で移動をしてるって事は考えられませんか?」
「そんなことあるのかしら?でも、それしか考えられないかもね」
本部ステーションは複数のスラスターによる移動が可能だ。
しかし、それはかなり特殊な状況でしか使われない。なのでステーションが逃げるように移動しているというのはおかしな事だ。
だが、破片も見つからない以上他に可能性はない。
「取り敢えず加速してみるしかないわね。みんな警戒体制をとっておいて!」
冴子の指示に皆それぞれ了解した。
一方、本部ステーションはというと完全に冴子達の想像通りの行動をとっていた。ステーションは既に乗っ取られ、全てのシステムが掌握されていたのだ。
そして、今まさに次の段階へ進もうとしていた。
グチョグチョオ…不気味な音と共に本部ステーションの形が変わり始めた。
変形が終わった時、その姿はもはや原型を留めておらず巨大なアメーバ状の塊になっていた。その塊の中には素っ裸にされた職員達が漂っている。
「あぁ…助けてくれぇ…」
虚ろな目をしながら助けを求める者もいたが、その声に応える者は誰もいない。

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