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エイリアンの侵略
官能リレー小説 - SF

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エイリアンの侵略 6

取り込まれた男達の誰もが自分の身に起こっている事を理解出来ないまま、ペニスを限界まで硬くして得体の知れないものの中心部へと沈んでいくだけだった。
その物体の名はカオススフィア。
その性質は極めて強靭かつ柔軟であり、形状を変化させて自在に移動する事も出来る。
そして、最も特筆すべき点は取り込んだ生物の遺伝子情報を解析するということだ。
今回はステーション内の屈強な男達を取り込む事でそれを実行しようとしていた。
カオススフィア全体が不気味に脈動すると、途端に男達がもがき始めた。
ドッビュウゥゥーッ!
「んほぉおおお!イグぅうう!」
次の瞬間、男達は一斉に射精してしまっていた。
それと同時に精液に含まれるDNA情報が解析され、中心部のコアへと送られていく。いくつもの黄ばんだ白い塊がうねりながら吸い込まれていく様子はまるで卵子に群がる精子を彷彿とさせた。
神秘的な受精行為を極端に巨大化させて再現したような光景だった。
やがて、精巣の中身を全て出し尽くしてしまったのか男達の動きは次第に弱々しくなっていった。
ビクン!ビクビク!
時折痙攣するように身体を動かすが、もはや反応らしいものは無い。
それでも尚、精巣は新たな精子を作り出そうと必死になっているようで、陰嚢だけが小刻みに震えていた。
極端に巨大化させた受精行為は、見る者がいれば闇の底を覗いたような忌まわしい邪悪さを感じただろう。
「面白い。この者達はこれ程同胞同士で殺し合ってきたのか」
どうやら、遺伝子のみならず知識や記憶をも手に入れているようだ。
内容を読み込み、満足げに二度三度鈍く輝く。
カオススフィアは、その知覚で調査対象、いや、歪んだ知識欲の餌食となった人々を、こう判断した。
「高い知性の割に、これほどの闘争本能。こんな種族は初めてだ。面白い物を得た」
歪んだ欲望の対象である被害者を検測したカオススフィアは、満足したようにこう思った。
「こやつらからは十分なデータを得た。後は食するのみ」
痙攣を繰り返しながら、人々は衰弱していき、カオススフィアは輝きを増す。
いや、濁り切った邪悪な光は生命を吸収し、欲望のままに捕食しているのだ。
自分を襲った相手の素性も、邪悪な本性を仲間に伝える事もできないまま、囚われた人々はすべてを吸いつくされ、息絶えた。


「クルーの生命反応、完全に消滅しました…」
「どうすればいいのよ!」
本部ステーション内の一角、どうにかカオススフィアに見つからずに隠れている、ジャンヌ・マルロー一等航宙士が唸る、いや小声で叫ぶ。
どうにかネットワークの一部が生きていて、システムが投影する無残な情景を見たジャンヌ達4人の女性乗員は仲間の無残な最期を、何もできない無念の思いで見つめていた。
ジャンヌに報告した、アマーリア・フラスキーニ医師も、助けられなかった無念に涙が浮かぶのを必死にこらえていた。

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