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剣心魂
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣心魂 3

怒鳴った男は腰に刀を差し、自分よりマシな粗末な格好に胸当てをしており、まさしく野党の風貌だった。
その男の後ろから同じような風貌をした二人が走ってきた。
「なんだこの小僧は?」
「ああ、急に出てきてぶつかってきやがった」
急に、といってもこちとら記憶喪失だから仕方ない…なんて言い訳が
通用するような相手では無さそうなのは見た目と雰囲気で感じとった。
それに、三人の視線は自分の向こう側にむけられているような…

「助けて下さい…!」

後ろから女の声が聞こえた。
金切り声で切望を込めて言っている。

声のした方を振り向くと、更に二人の野党風の男と、彼らに刀を突き付けられて怯える一人の娘がいた。
「えぇと…」
これは困った。
普通であれば野党達と戦って娘を救い出すのが人の道という物なのだろう。
だが相手は五人もいる上に俺は丸腰…勝ち目は限り無く低い。
そんな事を思っていると野党の親分格らしいヤツが俺に尋ねた。
「テメェ…丸腰で俺達と戦う気かぁ?あぁん?」
俺が武術の達人か何かであれば話は別だが、何せ自分に関する記憶が全く無い状態だ。
自分の事も解らないで戦って勝てる訳がない。
という訳で…
「…いや、降参する。命を粗末にする気は無いんでな」
俺は両手を上げて無抵抗の意思を示した。
「へへ…素直で結構だ。命拾いしたなぁ…オイ!テメェらコイツを縛り上げろ!人買いに売り飛ばすんだ!」
「ヘイ!アニキ」
野党達は荒縄で俺の両手を後ろ手に縛った。
「そんなぁ…」
娘は俺を見ながら失望を露わにしていたが、期待などされても困るという物だ。
そんな顔されたってよ…俺には剣の心得があるかも分からないんだからな…

縛り上げられた俺と娘は、野党達の前に並べさせられ、吟味するかのような視線を浴びせられる。
「アニキ、娘っこはいいとしてもこの小僧…結構美丈夫じゃねーですか…」
俺か?…
自分の顔すら覚えてはいないことに憤りを感じる…

「高額が望めるかもしれんな…その襤褸も剥いでみろや…」
「あいよ!」

一番歳若い男にあっという間に着物を脱がされ、俺の肌は外気に晒せれる…
な、なんなんだよ…
俺は眉を顰めながらも、自分が褌一丁の姿であることを、恥じずにはいられなかった…
隠そうにも両手を後ろ手に縛られていてはそれも叶わず、辛うじて身を捩るものの、その膨らみを鞘の先端で中年男に小突かれる。

「小僧の割りに筋肉もちょんと着い取るし…ここの重量もかなりのもんや…こりゃあいい拾いもんしたかもしれんの…」
「おい、何言ってるんだ?…男の俺がそんな高額で売れる訳ないだろ!!」
「ははは!お前こそ何言ってるだ…ここ東翼の国では、人買いと言うたら女子相手に決まっとるでねぇか…」

愕然とする俺を他所に、鐺は褌の脇布を捲り上げる…
「くっ…」
屈辱の声を上げる俺のものを、五人の野党どもは薄ら笑い浮かべ見つめていた…

「ふっ…全身薄汚れている割りに、そこだけは綺麗なんやな…」
「なっ!…」
鼻で笑う野党の言葉に、俺は自身を見下ろす…

黒く繁った恥毛の中から垂れる陰茎は色淡く、皮を被っていた…
自身のものなら見飽きるぐらいに見ている筈なのに、俺はそれを他人のもののように見ることしか出来なかった…

「こいつ…まだ"おぼこ"と違います?…でねぇと、こんな薄紅色してねぇでしょ?」
好奇心丸出しの若い男の声は高揚していた。

何も覚えてはいない俺は反論することなど出来る訳もなく、ただ羞恥で顔を赤らめるだけだった…

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