主人公最強主義 10
「人のことを性欲のはけ口にしか思ってないヤツにはちょうどいいくらいよ!」
売り言葉に買い言葉で、自分の置かれた立場を忘れてつい反論してしまうイリア。
その余計な一言がゼクスの癇に障ってしまった。
「ほー・・・そう来ますか、そんなことを言っちゃいますか!
いいでしょー、あなたがそう言うならこっちにも考えがありますよー?」
ゼクスの言い回しに危険なものを感じたイリアはしまったとばかりに口を押さえたが時すでに遅し。
ゼクスはイリアの首根っこを捕まえると、ハルトに向き直った。
「悪いな、ハルト。イリアのヤツ、もう待ちきれないみたいなんでこれで失礼させてもらうわ」
「そうかい?それは悪かったね。それじゃ今度会うときはうちの店に来てくれよ?」
「ちょっ、ハルト!?何いい感じで流してんのよ!?
ここは助けてくれるところじゃないの!?」
ナチュラルに別れようとするハルトを、イリアが必死に引き止める。
身の危険がかかっているとなればなおさらだ。
しかしハルトはイリアの剣幕などどこ吹く風といった感じで微笑みながら一言。
「それはできない相談だね。昔から言うだろ?
人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られて死んじまえ、ってね。
じゃあね、お2人さん♪」
「おう!今度店に行くときはいろいろ買わせてもらうからなー!」
「ちょっとーーーッ!?」
イリアの叫びもむなしく、ゼクスは彼女を引きずりながらミュゼの待つ自宅へ帰る。
どうやら今晩はかなり夜遅くまで明かりがついていそうな予感だ。
〜〜
家に戻ると欲情した女の強い匂いとすすり泣く音が聞こえてきていた
その音に不安そうに青ざめるイリアを余所に俺はほくそ笑んだ
「ちょっちょっとゼクス、この泣き声は何?誰なの?」
「ん〜?さっき言ったじゃんモンスターを拾ってペットにしたって」
「ゼクス…そのペットって…人型?」
「うん、そうだけど?問題でも?」
問題は大有りである、とは言ってもレベル的な問題だが…
普通、人型のモンスターは知能レベルが高くとても強い
普通は有名なハンターが徒党を組んで戦いを挑んで勝算はトントンが良いところである
戦って倒すのでそれなので、生け捕りなんて出来るのはこの都市でも十人と居ないだろう
「今日はあいつを拾ってきた記念の3Pパーティーだ。朝までヤリ通すぞ」
その言葉にイリアは諦めと共にため息を吐いたのだった