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鬱屈した何か
官能リレー小説 - ファンタジー系

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鬱屈した何か 1

森の一角に廃屋がうずくまっていた。煉瓦と石が積み上げられ、丘の一帯を見渡せる塔を備えたそれは砦だった。国境が変わり見張るべきものが無くなった結果、人が引き上げられ打ち捨てられた砦だった。その表面にはツタが這いまわり、一部は崩れ、砦へと至る道は草に塞がれている。だが、戦を前提とした丈夫な造りのためだろうか、砦は未だ概ね原型を保っている。そのため、地域によっては山賊などの拠点とされたりしていることもあるという。
無人のはずのその塔に、明かりが灯っていた。砦の門が内側から開かれ、一人の男が足早に滑り出る。
男は、やや薄汚れたローブをまとっていた。その下は…なんと、全裸だった。
陰茎にはねっとりと白い液体がまとわりつき、尻の谷間にも同じ物がどろりとした筋を描いている。
波打つような黒髪と黒檀のような褐色の肌は夜の闇に溶けるようであり、堀の深い顔立ちの中で真紅の瞳が爛々と輝いていた。一見細身でありながら引き締まった体は鍛えあげられた筋肉に覆われている。胸から腹にかけては浮き出た筋肉の割れ目が艶かしく、盛り上がった太股から尻へのラインは同性ですら目を引かれる魅力があった。まだ固さの残る陰茎はどっしりと太く、体液に焼けて黒光りする幹には血管がびっしりと這いまわり、握り拳のような頭は女を殺すための凶器のよう。
男の出てきた門の向こうでは、髪を短くした筋肉質な女たちが股間から白濁した液体を溢れさせて積み重なって倒れ伏せ。その周囲を半円状に囲むように、陰茎から白いものを垂れ流した多くの男たちが気絶していた。それは一目見れば淫猥な宴の後のようであったが、よくよく見れば不自然に男女が別れていることに気づくだろう。それこそが男の作り出した奇妙で鬱屈した状況なのである。結論から言えば、この者たちは砦に住み着いた盗賊だ。
そして今、その盗賊たちの頂点に立っているのがこの男だ。突如現れたこの男によって乗っ取られた盗賊団は完全に変質して、もはや盗賊団ではなくなっていた。
盗賊の男達の頭に奇妙な仮面が出現した時、彼等の全ての着衣は焼失し淫らな儀式の参加者へと変わったのだ。
突如周囲で酒盛りをしていた男たちが、寝転がっていた男たちが、飼ってる女を使ってた男たちが全裸にされ、仮面を被って無表情に変わったことに女盗賊たちは咄嗟に反応出来なかった。奇妙で鬱屈したなにかに成った盗賊たちは無言で女盗賊たちを囲む。
女盗賊たちが短刀を構えて周囲を警戒していると、人垣が割れて漆黒の男が現れた。重苦しい気配を纏った男に、女盗賊たちはすぐさまこの異常の元凶だと察するも、指先から足先までヘドロに沈んだように上手く動かなかった。
漆黒の男の手が女盗賊に触れると、紙を破くように革の胸当ても毛織の服もズタズタに剥ぎ取られた。そうしてろくに手入れもされずに毛は伸び、肌は汗と汚れに塗れた筋肉質な裸体が夜風に晒される。悲鳴も怒声もあげる間もなく男が胸を揉み太股も撫でると、気の強い女盗賊の口から甘い嬌声が漏れた。

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