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守りの巨木
官能リレー小説 - ファンタジー系

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守りの巨木 5

グニョオオォォオ
周囲の空間の歪みは一層激しくなっていく。引き伸ばされた時間の中では、迫ってきているはずの仲間達は殆ど静止している様にすら見える。
視界に広がる光景が大木を軸にゆっくりと回転をし始めた。まるで走馬灯のように、男の人生の記憶が早送りで再生されていく。
「そうだ…俺は…」
そして彼は思い出す。自分が何者なのかを…。
「俺は白い連中に集落を滅ぼされ、生きるために住む場所を探しに旅に出た戦士だ!」
男は叫んだ。自分の使命を思い出すと同時に彼は全てを悟り、そして理解した。
男の中にあった白い軍団への憎しみ。それこそが、この木を成長させ巨木へと変えた力の正体なのだと。
男達は新たな集落を探すことで頭が一杯で、白い男達への復讐心など忘れていると錯覚していただけだった。だが、彼らは心の奥底ではまだ奴らを憎んでいたのだ。
彼等の憎しみの心が力となり巨木は禍々しく成長し、彼等を捕食してしまったのだった。
「俺達は白い奴らに復讐する!」
男が叫ぶと、それに応えるように巨木が膨れ上がっていき男の肉体を包み込んでいく。
「う、うおおぉ!きたぁああ!」
全身に走る快感に男は絶叫をあげる。先ほどまでの緩慢な射精とは比べ物にならない程の快感が脳天を突き抜けたのだ。
バキバキッ!メキメキィッ!
巨木は男達を飲み込み、そして成長していく。
枝葉を茂らせ、青々とした葉が生い茂っていく。幹の太さも倍になり、荒々しさを増していく。
黒い肌の男達はいつしか巨木の基部となっていた。彼等の執着を得た巨木は白い連中を誘い込むために卑猥な果実を実らせる。
果実は赤黒く、表面には血管のような筋が浮き出ている。果実からは濃厚な精気が漏れ出ているようで周囲には甘い香りが漂っている。それは、白人男達の脳を蕩けさせる淫臭だ。
その香りに誘われ、白人の男達はフラフラと巨木の元に近寄ってくる。先程まで彼等から略奪した女達を侍らせて楽しんでいた者達も例外ではなく、何人かのペニスには愛液がべっとりと付着している。
「ああ、なんて良い匂いなんだ…」
「早く食べてぇ…」
「食べてぇよぉ」
白人男達は口々に呟きながら巨木に群がり、その赤黒い果実を貪り始めた。
じゅるっ!ずりゅぅううっ!ジュルルルゥウウッ!
「ああっ!美味しい!」
「うめぇえええ!」
素っ裸の男達が夢中になって果実を貪る。

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