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見習い魔術師セオドア
官能リレー小説 - ファンタジー系

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見習い魔術師セオドア 1

魔術学校聖フィサリス魔術学院は、ベルカーン王国の宮廷魔術師の卵を育てる登竜門である。


聖フィサリス魔術学院に通う少年、セオドア・サンダーは現在学院ではなく、西と北の狭間にある標高六千メートルを越えるフィレス山の前に佇んでいた。

エルメイル山系の最高峰フィレス山は、古来より魔獣や魔物が多く、魔窟の如しと言われている。
足を踏み入れたが最後、無事に帰れた者は稀。
火口は魔界に通じているとも言われ、魔族が時折ここから出てきては人間世界に入り込むともされる。
立ち入った者の多くは還らなかった。帰って来た者達さえも無傷ではなかった。
不気味極まりなく、呪われし山と誰もが畏れている。
ある意味魔界に一番近い場所であり、頭のおかしな狂人でなければ、誰も近付こうとは思わないだろう。

何故学生であるセオドアがここにいるかというと、その話は数日前に遡る。
彼はその日、指導魔術師であるアドリアナ・サマートンの呼び出しを受けていた。
担任で指導教官の彼女がセオドアを呼び出すのは珍しいことではなかったが、この日は珍しく彼女からの頼み事をされた。

「フィレス山の活動が活発化しているのは知っているわね」
「はい」

ただならぬ様子でセオドアを見るアドリアナの言葉に、彼はただ頷く。
彼の様子を見るように、アドリアナはしばし言葉を切る。
セオドアは、目の前の才能と美貌の両方で名高い、美しい師匠を見つめていた。
内心では、先生は何をするつもりなのか?と訝しみながら次の言葉を待つ。

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